ミニバンからSUVになったプジョー5008 ただしFF 飛ばすべからず

公開 : 2017.02.21 12:36  更新 : 2017.05.29 19:00

■どんな感じ?

この手のファミリーカーには、より大柄で高価なモデルも少なくないが、5008はそれらよりコンパクトで取り回しの良いボディサイズと、パッケージングに優れた室内スペースの好バランスを実現した。

出来は上々で、その点では注目すべき長所こそ多く、欠点や問題点はほぼない。

2列目シートは独立3座で、個別にスライド/リクライニング/フォールドが可能。各個にISOFIXチャイルド・シート・アンカーが備わるのも高評価だ。

レッグ・ルームは、先代比165mm延長されたホイールベースの恩恵が感じられる。ただし座ってみると、クッションはやや硬めで、フラットで、短く狭い。

パノラマ・グラス・ルーフを選んだ場合には、ヘッド・ルームの不足にも悩まされる。通常のルーフなら1/2列目の頭上には空間が確保できるが、最上級のGTグレードを選ぶと、残念ながらグラス・ルーフが標準装備されてしまうのも△。

3列目シートのサイズは、成人用としては不十分だが、この手のアイテムとしては使いやすい部類だ。フォールドしやすい上に取り外しも可能な造りで、ラゲッジ・ルームは5人乗車時で最大1000ℓへ拡大できる。

マイナス・ポイントは、2列目には装備されるチャイルド・シートのアンカーが備わらないこと。これは助手席も同様なのだが、大人と子供が何人かずつ、という乗員構成の場合、席順に頭を悩ませることになる。

運転環境は、得たものもあれば失ったものもある、という印象。ダッシュボードはリッチなフィニッシュが施され、スタイリッシュで、スイッチ類などの配置はよく考えられている。計器盤はフラットな高精細デジタルスクリーン式で、必要な情報を選んでの表示が可能だ。

しかし操縦系は、高いシートと計器盤の位置に対し、径の小さいステアリング・ホイールは低く設置され、現行208でi-コックピットが導入されて以来、相変わらずの風変わりで直観的でないレイアウトだ。

プジョーでは、彼らの顧客はこれを気に入っていて、慣れれば奇妙な感じはしなくなると主張するが、われわれとしては馴染むのはちょっと無理な気がする。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

プジョーの人気画像