レオンSCクプラ300 前輪駆動ホットハッチの脇役か、主役か? ゴルフRが一枚上

公開 : 2017.04.21 18:59  更新 : 2017.05.29 18:43

メガーヌ3 R.S.、シビック・タイプRとは、ココが違う

悪路の窪みに足を捕らわれた時、状況はさらに悪化する。ドスンとショックがフロント・サスペンションを伝わって襲い掛かるのだ。それは、ブッシュがチーズか何かでできているようだった。そうした不規則な挙動を考えると意外であるが、トルク・ステアを感じることはあまりない。

与えられたパワーを駆使してコーナーを旋回する、ルノー・メガーヌ・ルノースポールやホンダ・シビック・タイプRの様なホット・モデルとは違って、クプラのコーナリングは電子制御の介入やデフ・ロックに頼りながら行われている様に思われる。

プログレッシブ・ステアリング・システムの是非

ハンドリングはどうだろう? まず気にかかるのは、ステアリング・レシオを変化させるプログレッシブ・ステアリング・システムだ。ビル型駐車場ではその恩恵に感謝するだろうが、同時に肝心なステアリング・フィールを奪ってしまっている。

少し攻めてみると、クプラのグリップは並みのレベルでないことに気付く。ただ、出来のよいホットハッチに備わる優れた車両コントロールができないため、進入スピードが高過ぎれば、アンダーステアと戦うことになるが…‥。

平らな良路においても、アダプティブ・ダンパーを締め上げてもそれほど効果はなく、コンフォート・モードがやはり最適であった。スポーツかクプラ・モードで田舎道を走ったら、それこそどこへ行ってしまうかわからない。

インテリアで目新しいのは、大きくなったタッチ・スクリーンとワイヤレスの携帯電話充電スペースである。しかし、全体の雰囲気は変わらない。ブラックかダーク・グレーで統一された車内ではあるが、カーボンファイバー・パターンのファブリックはとにかく酷い。安っぽいプラスチックを上手く隠せていないのも残念なところである。ゴルフRが同じ価格帯にあることを考えると、もう少し考えてもらいたい。 

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