Our Verdict（結論）

なにしろ実に選択肢が多彩なので、どの993を買うか判断する前に自分の好みについてじっくりと考えておきたい。価格は急上昇中だが、やはり後期型のクルマのほうが高価格で、しかもその違いは時間とともに消えていくはずだから、保存状態の良好な初期型モデルも視野に入れておきたい。大切に保存されていて自分に合った993を買えば、信頼性の高いスーパーカーを数年間味わうことができて、投資した金額にふさわしい楽しみが待っている。

モデルの変遷

●1993年12月：カレラ（最高速258km/h、0-97km/h：5.2秒）　●1994年3月：カブリオレ（最高速256km/h、0-97km/h：5.0秒）　●1994年8月：カレラ4/カレラ・ティプトロニックS仕様（最高速250km/h、0-97km/h：6.3秒　●1995年2月：内装を簡素化したカレラRS（3.8ℓエンジン、304ps、バリオラム吸気系－最高速286km/h、0-97km/h： 4.7秒）/ロールケージを装備するサーキット志向のRSクラブ・スポーツ（ターボのワイドボディ、18インチホイール、4WD－414ps/55.0kgm、最高速291km/h）/GT2（ターボで軽量のホモロゲーション・スペシャル、2WD－436ps、最高速296km/h）　●1995年9月：タルガ/全車種にバリオラム装備（13ps向上、トルク範囲の拡大、燃費改善－最高速277km/h、0-97km/h：4.9秒）/ターボのボディとブレーキを採用しサスペンションを強化したカレラ4S　●1996年9月：RS製造終了／ターボのボディを使ったカレラS（2S）/ターボのトランスミッション入力シャフトを強化しECUの変更に対応/456psのGT2「エボ」が登場　●1997年9月：カレラが996にモデル・チェンジ/最後の空冷911はカレラ2Sと4Sとターボ、それに456psでサスペンションをロー・ダウンした新型ターボSで、後者は183台売れた。最高速303km/h　●1998年：製造終了（年間中期）

PORSCHE 993

生産期間	1993〜1998年
生産台数	6万8029台（カレラ2：4万6923台、カレラ4：1万4114台、ターボ：5978台、RS：1014台）
車体構造	スティール・モノコック
エンジン形式	SOHC3600/3800cc水平対向6気筒シーケンシャル燃料噴射 ターボ：KKKツインターボ、インタークーラー装備
エンジン配置	リア縦置き
駆動方式	後輪/4輪駆動
最高出力	276ps/6100rpm〜456ps/6000rpm
最大トルク	34.7kg-m/5250rpm〜59.5kg-m/4500rpm
変速機	6段M/T、4段ティプトロニック
全長	4245mm
全幅	1735〜1795mm
全高	1270〜1300mm
ホィールベース	2272mm
車両重量	1340〜1507kg
サスペンション	（前）マクファーソン・ストラット（後）ダブル・ウィッシュボーン
ステアリング	ラック＆ピニオン（パワーアシスト付き）
ブレーキ	φ304mm通気式ディスク、サーボとアンチロック ターボ/4Sはφ322mm
0-97km加速	6.3〜3.7秒
最高速度	250〜303km/h