高級SUV対決 ヴェラールとドイツの強敵、Q7/カイエン 前編

公開 : 2017.09.23 17:10  更新 : 2021.04.13 18:04

6気筒で名誉挽回なるか

ロードテストでは輝きを見せながら、最下位機種となる4気筒ディーゼルに起因する辛辣な批判も受けたヴェラール。ほぼ最上位機種となる6気筒ディーゼルをテストする今回は、名誉挽回の絶好の機会だ。もしこれが、ゲイドンの主張をすべて満たし、並外れたモダンな高級SUVなのだとしたら、同価格帯のライバルを容易に凌ぐことができるだろう。

しかし、ライバルも座して負けを待っているわけではない。ヴェラールの試乗車は、£70,530(1066万円)のRダイナミックHSE D300。これにぶつけたのは、わずかに安いポルシェカイエンSディーゼルと、かなり安いアウディQ7 3.0TDI 272クワトロSラインだ。

実はマセラティレヴァンテ・ディーゼルも用意したかったのだが、この比較テストのために借り受けることはできなかった。しかし、そのイタリア代表を抜きにしても、ヴェラールの価格設定が野心的だというわれわれの意見が多数派だということは、ほかのライバルたちが鮮明に示してくれる。

ポルシェは385psのV8ディーゼルを積み、気筒数でもパワーでもパフォーマンスでも上回るうえに、スポーティなハンドリングを持つ高級SUVという定評もある。

一方のアウディは、レンジローバーの公称値に加速では匹敵し、燃費やCO2排出量では圧倒する。加えて、7座の使い勝手や圧倒的な高級感と仕上げの良さをみせるインテリアを備え、その走りの洗練度は価格帯にかかわらず、あらゆるSUVの中で最高レベルだ。

それだけに、レンジローバーの素晴らしくハンサムな新型車は、これらSUVカテゴリーの成功者たちを退けられるのか、疑念が湧いてくる。

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