フェラーリを買ったらどうなる? 「関係者」8名の証言 (回顧録11)

公開 : 2017.10.29 06:10

証言6:「プロにもひとこと言わせてくれ」

名前

フェラーリ専門店「ヴェルディ」のカール・ヴェルディ

所有車

なし

フェラーリの専門ショップ、ヴェルディは1987年設立の老舗。オーナーのカール・ヴェルディ自身は1978年からフェラーリに関わってきた猛者だ。

「355はフェラーリの世界のラブラドールです。きちんとメンテナンスすれば、ポルシェ911と同じくらい信頼性が高い。わたしは走行20万kmで新車同様のクルマを何台も見ています」

「V8モデルに比べるとV12は割高です。販売価格からするとリセールバリューは低く、維持費もなにかと高くつきます」

ちなみに456GTAの交換用ATユニットの値段は約420万円で、ATフルードとフィルターを替えるだけも5時間分の工賃=約14万円がかかる。

カールは一般的な年間予算として、V8モデルは約60万円、V12モデルなら100万円は見てほしいという。

「クルマは定期的に走らせた方が調子が保てますし、その上で然るべきメンテナンスをすればさらに状態が良くなります。年間数1000km走って維持費が10万円以下という顧客が何人かいますよ」

悪名高きカムベルトの交換について、カールは360で約9万3000円、348/355、V12モデルでは18万7000円という見積もりを出してくれた。

さらに手に入れたあとで幻滅しないために、彼はどんなモデルでも後期型を買うことを強く勧める。後期型なら初期トラブルはたいてい改善されているからだ。

「家を買う時は必ず不動産鑑定士に見てもらいますよね。クルマも同じです。1000万円以上のクルマを買うのに、専門家に見てもらうわずかな費用を惜しむひとが多すぎます」

彼はまた「常識を働かせなさい」ともアドバイスする。

「整備歴や修理歴の確認も重要ですし、車体の各部も詳細に点検してください。1981年以前のクルマで青い煙や黒い煙を吐いているのは言語道断です。またオイル漏れも高くつきます。もしなにかおかしいなと感じたらら、それは実際になにかおかしいクルマなのです」

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