ロールス・ロイス・ファントムⅦ モデルチェンジで割安に 中古車購入ガイド

公開 : 2018.01.08 10:10

シリーズ1の上物狙いが得策

ファントムVIIのシリーズ1には6段ATとエアサスペンションが搭載され、ボディはアルミだが、それでもウェイトは2500kgもある。回転計を探してはいけない。そんなものはどこにもないのだから。代わりに計器がドライバーへ伝えるのは、どれくらいの余剰馬力があるのかということだけだ。

後席のドアを開けるときもご注意あれ。観音開きなので、乗り慣れた前ヒンジのクルマだと思ってドアハンドルを引くと、恥ずかしい思いをすることになる。パルテノングリルの頂点に『スピリット・オブ・エクスタシー』が見つからないと、その辺に落ちていないか血眼になって探しそうだが、そんなことをしたらこれまた恥をかく。盗難防止、もしくは事故の際に歩行者を負傷させないよう、自動で格納されているだけだと知らないことを、ふれて回るようなものだ。

ロールスのセールスマンたちは、ファントムの購入も、所有も、運転も、世間で思われているほどには尻込みするようなことではないと口にする。しかし実際のところ、ほとんどのファントムが過酷に使い込まれることはない。もし整備履歴にすべて目を通しても、とくに手をかける必要はなかったと思わされるだけだろう。BMW7シリーズを下敷きに造られただけあって、その信頼性は折り紙付きだ。

とはいえ、目をつぶって買えるような、完全無欠のクルマというわけではない。追って説明するが、絶望的な修理費用を要する可能性も秘めている。幸いにも、独立系スペシャリストたちの強固なネットワークや、質のいいアフターマーケットパーツを利用すれば、リーズナブルなコストで済ませることも可能だ。

出所のはっきりした、状態のいいシリーズ1を見つけて、10万ポンド以下で購入できれば、それに越したことはない。価格下落はしばらく続くだろうが、たいていのV12サルーンはどこかで下げ止まりがくる。そのあとは、古いロールスの通例だが、価値が上がっていくに違いない。それこそが、ブランドのマジックだ。

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