2017年 AUTOCAR英国の編集部員が買った9台のクルマたち

公開 : 2017.12.30 15:40  更新 : 2017.12.31 10:38

マイク・ダフが買ったアウディA6アバント3.0TDIクアトロ

わたしには少し変わった悩みがある。ピカピカの新型車より使い込んで年季の入ったクルマのほうが好きなのだ。

いろんな理由があるが、ひとつ、はっきりしているのはスコットランド人の遺伝子に組み込まれている倹約の精神だが、ほかにも、そのクルマの持つ語るべきストーリー、酷使された証のくたびれ具合といったものがわたしの琴線に触れるのだ。

わたしは3年以上にわたってA6を所有している。売りたがっていた友人から「ウイ・バイ・エニー・カー」の評価額6000ポンド(90万円)で購入した。

いくつかのマイナーな不具合があり、23万3000kmにおよぶ走行でできた無数の飛び石の跡がブラックの塗装一面についている。しかし、基本的なコンディションは厚さ5センチのディーラーのサービス履歴書ですべてわかる。

走行距離は最近29万kmを突破したが、その間かなり出費がかさんだ。定期点検は安くないうえ、補器類を駆動するクランクシャフト・プーリーの修理に750ポンド(112000円)かかった。

さらに低扁平タイヤと英国の酷い舗装のせいで、タイヤを4輪とも交換する羽目になった。荒れた道ではカンガルーのように飛び跳ねるため、すぐにダンパーも新調しなくてはならないだろう。

しかしどれにも腹は立たない。

A6の減価償却費は年およそ1000ポンド(15万円)で燃費も10km/ℓ台。最新のA6と同じようにハイウェイをリラックスして走れる相棒だ。

今のアウディMMIのような正確さはないが付属の衛星ナビもまだ動くし、ごく初期のブルートゥースもついていてスマホもつながる。

もっとモダンで信頼性の高いものがあるのもわかっているが、本当はそんな物は欲しくないということに気付いたのだ。それよりも、同世代のA6オールロードに強く惹かれるのだ。

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