2017年 AUTOCAR英国の編集部員が買った9台のクルマたち

公開 : 2017.12.30 15:40  更新 : 2017.12.31 10:38

ことしも編集部員は、多くのクルマを買いました。日本の編集部もそうですが「つぎはなに買う?」と、つねに話しているようです。「だれかのためではなく、自分のための買い物」といった感じが、よく伝わってきます。

もくじ

ジェームス・ルパートが買ったBMW320
マイク・ダフが買ったアウディA6アバント3.0TDIクアトロ
リチャード・ウェッバーが買ったランチア・フルビア1.35
ジョン・エヴァンスが買ったヴォグゾール・アストラ・1.6SXi
スティーブ・クロプリーが買ったホンダX-ADV
ジミ・ベックウイズが買ったフォルクスワーゲン・ルポ1.4
ジェス・クロスが買ったBMW X5 3.0スポーツ
ベン・サマレル-ユードが買ったフォルクスワーゲンT3シンクロ
マット・ソーンダースが買ったマツダCX-5 2.0 SE

ジェームス・ルパートが買ったBMW320

シェッド7(BMW 728)が逝ってしまった後、シェッド5と9カ月を過ごして、走行距離の伸びたクルマを所有するのは諦めようと決心した。わたしはその辺を走りたいだけなのだ。

何を買えばいいのだろう? ほかに持っているランド・ローバー・シリーズIIIより快適で、ミニ・クーパーより真面目なクルマがいい。

遡ること2016年の夏、ネットの広告でこのきれいな3シリーズを見つけた。忙しすぎてほかのことにかまっていられなかった時期だ。4999ポンド(75万円)。忘れようと思い、しばらくは大丈夫だったのだが、去年の12月、わたしのクラシックカー・レーダーにこいつが引っかかってしまった。広告、写真、そして価格も同じ。

買い手がつかなかったのはオートマが3速だったことと、ボディ・カラーが1970年代の色、カシミアだったからだろう。メーカー純正のエアコンとアルピナのアルミ・ホイールが購入の決め手になった。

もうひとつ、とてもコンパクトなので、1970年代の二輪車用車庫にも簡単に滑り込ませることができたからでもある。

交渉の結果、価格は4500ポンド(67万円)まで下がり、わたしが見た後にはさらに3700ポンド(55万円)まで落ちた。しかしクルマを取りに行くと落とし穴があった。

腹立たしいことに英国での登録書類がない。このクルマはイタリアで使われていたのだ。書類をそろえたりするのに丸々5カ月かかった。

けれど、待つ価値はあった。

第1世代の3シリーズを最後に見たのはいつだろうか? わたしはずっと前だ。

良いところは、いつでも好きな時に運転できること。だがコールド・スタートはやはり大変だ。ソレックスのキャブレターが懸命に点火を妨げるからだ。しかしそのぶん、ようやくエンジンに命が吹き込まれ、クルマは走り出すときは最高だ。

オートマティックのギアボックスはこのクルマにとても合っており、現代のクルマに混じって老馬を引っ張る。エアコンは喘息気味だが、一応冷たい空気は出てくる。その通り、これは本当にクールなクルマなのだ。

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