3台のポルシェ911タルガ フロリダのオークションに同時出品

公開 : 2018.04.09 20:10  更新 : 2018.04.10 13:05

1973.5 911Tタルガ

次に出品されるのこのタルガも外装色以外ほぼ同じに見えるかもしれない。70年代前半のポルシェらしいシルエットを持ち、先の911Eと同様にセミ・トップレスのタルガだ。

しかし、このツーリング・ポルシェのトランクに隠されたエンジンは少々特別だ。ほぼ同時期に生産され、そっくりなボディを持つ一方で、この「1973.5年型」911Tは911Eとの大きな違いがひとつある。それはCISフューエル・インジェクションだ。

この0.5年分の差が大きいのだ。911Tの後期型であり、ボッシュ製のK-ジェトロニック連続噴射システムが特徴だ。なぜそれがそこまで重要なのか? これは効率的で、信頼性が高く、機械式でないフューエル・インジェクションなのだ。

ポルシェ製の2.4ℓエンジンとの組み合わせにより、非常にパワフルでスムーズな走りを見せた。有り余るトルクのおかげで、目抜き通りを優雅に流すことも、アウトバーンを疾走することもできたのだ。

初期の911のボディに後期型のパワーを持ったことで、この1973.5 911Tは非常に優れたツーリングマシンであった。そのうえタルガは少しの買い物に向かう間にも風を感じることができる最高のボディスタイルだ。

このバランスの良さは燃費にも表れている。911Tは最高速度209km/hに達するにも関わらず、平均燃費は11.3km/ℓを超える。

洗練された5速マニュアルを搭載され、この個体はほぼすべてオリジナルパーツを仕様して丁寧にレストアされている。その仕上がりは茄子色に光るタルガの輝かしい日々を象徴するかのようだ。

911Tの生産台数は多いが、この個体と同じ仕様は1300台しか生産されていない。このコンディションを見る限りでは、落札額が15万ドル(1600万円)に届いたとしても何ら不思議ではない。

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