ロードテスト スバルXV ★★★★★★☆☆☆☆

公開 : 2018.07.08 10:10

結論 ★★★★★★☆☆☆☆

「オン/オフのデュアルパーパス性には優れるが、パワートレインは力不足だ」

ディーゼル不正問題は多くの弊害を生んだが、スバルXVのラインナップから素晴らしいディーゼルユニットが消えたこともそのひとつだろう。6年前にテストした先代はわれわれ好みのクルマだったが、新型はトルクを失ったことでずっと評価の低いものとなったのが残念でならない。搭載される2.0ℓガソリン自然吸気は、車重が半分だったとしても苦戦しそうだし、CVTはいつだって意に反する。

もちろん、改善された箇所も少なくない。キャビンの質感、インフォテインメント系、乗り心地、そしてハンドリング。ところが、走り出すと不幸が始まる。パワートレインが原因でセグメントの下位に沈む走りは、ほかの長所をもってしてもリカバーしきれるものではない。

XVの購買層は、そうしたことを気にせずこのクルマを選ぶだろう。その理由は、悪天候に見舞われる場所に住んでいるとか、本格4WDを欲しているとか、このクルマを信頼しているとか、さまざまではある。スバルを信用するのは間違いではない。だが、われわれはそうしたニッチなユーザー層を満足させるだけではない部分でジャッジしなければならない。このロードテストの目的は、同じカテゴリーに属するモデルと比較して相対的に評価することだ。XVの走りを楽しみたかったのだが、実際にはそうはならなかったのである。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

CVTをDレンジへ入れっぱなしにすると、心地いいスロットルのレスポンスを求めても、500rpm刻みでトルクが出てくるように感じられる。おとなしく走らせようとしてさえ、それは容易ではない。というか、試みるだけ無駄だ。

サイモン・デイヴィス

トルクのあるディーゼルエンジンとMTを組み合わせたとしたら、クロスオーバー市場におけるもっと魅力的な選択肢になるだろうに。

オプション追加のアドバイス

1.6ℓではなく、2.0ℓを選ぶべき。42psと4.7kg-mの差は大きい。1.6ℓモデルは、悲しくなるほどアンダーパワーだ。燃費の低下は、それほど悪くはない。

改善してほしいポイント

・ディーゼルでもガソリンターボでもいい。とにかくもっとトルクのあるエンジンを。
・MT車でも機能するアイサイトを開発してほしい。CVTがダメなので。
・質感向上のために、ブラッシュアップを続けてほしい。

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