ルート66:忘れられたハイウェイ アキュラNSX試乗記 前編

公開 : 2018.08.05 11:40  更新 : 2018.08.05 12:32

大部分がインターステートに置き換え

なので、先を急ぐことにする。イリノイ州アトランタに着いたわれわれを出迎えてくれたのは、うーん、何だろうこれは。ホットドッグをかかえた男の巨大な像だ。ほかにもあった。ロケットを持っているのもいれば、別のは工具、などなど。まあ、それには慣れる。アトランタは、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーに出てくる1955年のヒル・バレーのような町だが、あちらよりも静かだ。きこえるのは鳥のさえずりと、たまにピックアップトラックのV8サウンド。アメリカはどこに行ってもV8サウンドがBGMだが、わたしにはそれが心地良い。

この街道の「歴史」をあらわす、現代にいたるアメリカの発展をささえた店舗の看板の数々が、走ればどんどん目にはいってくる。モーテルに古物店。その最たるもの、がらくたのメッカとでもいうべきピンク・エレファント・アンティークモールの屋上には、十分広いアパートになりそうな空飛ぶ円盤がそびえる。思わず持って帰りたくなったくらいだ。

大都市を通る区間では、ルート66の道筋はちょっとややこしくなる。セントルイスは海から数千kmもはなれているが、すでに海峡のように大きなミシシッピ川が街を流れるので、アメリカ中央部の港町となった。そしてルート66も部分ごとにインターステートに置きかえられ、年を経るごとに道筋がかわっていった。

ところどころに、いつの年代にルート66だったかをしめす標識もある。まあ、これらをたどって走ることにしよう。英国のフォッス街道も起点があいまいなのは似ているとおもうが、こちらは似て非なるものだ。移住のための道で、それに沿って町が生まれたのだ。

ユレイナスという変わった村の道端でみつけた城に、われわれは騒然となった。「RV ゼア・イェット」というキャンピングカー販売業者の看板だった。

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