公道対決 日産GT-R vs フォード・フォーカスRS 前編 回顧録

2018.08.15

サマリー

フォーカスRSが今回挑んだのは驚異的な速さを誇る日本車の切り札、当時英国でも正規導入が始まったばかりであった日産GT-Rです。全力を出し切れるサーキットではなく公道、それもタフな峠道というGT-Rにとっては完全にアウェイとなる舞台で戦いました。

AUTOCAR JAPAN誌 74号

もくじ

公道を舞台にした対決
明らかに不利なFFハッチバック
GT-Rの桁外れな速さ
「バタータブ」とよばれる峠
過酷な道をほぼ完璧に走りこなす

公道を舞台にした対決

20年ほど前、フェラーリ・テスタロッサにランチア・デルタ・インテグラーレをぶつけるツインテストを行ったことがある。われわれが「ダビデ対ゴリアテ(日本なら「弁慶対牛若」だろうか)」と呼んだこの対決の企画意図ははっきりとしていた。ラリーで鍛え上げた軽量で敏捷な四輪駆動ハッチバックが、巨大なうえに値付けも法外なメタボ・スーパーカーを翻弄し、あっさりと打ち負かすというシナリオだ。

しかし、思惑どおりに事は運ばなかった。フェラーリの走りがわれわれの想像より、少なくとも2倍はよかったからである。

最終的には無難な「引き分け」でテストは結論づけられたが、その裏には今だからいえる、記事中ではほとんど触れられなかった現実がある。過酷さで知られるエクスムーア高原のワインディングでも、フェラーリはランチアをいつでも好きなだけ引き離せたという恐るべき事実がそれだ。

そんな余話を枕に今回の特集のために組んだこのカードを眺めてみると、なかなか興味深い。ひと昔前にラリー界で活躍した伝統こそ持つものの地味なハッチバックが、約1100万円と英国では2倍以上も価格の高いスーパーカーを相手に、英国で最高にエキサイティングな公道を舞台に平伏させてやろうというのだ。

 
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