発表前に開発中止になった21台のクルマ 前編

公開 : 2018.08.26 06:10  更新 : 2021.03.05 21:43

ランボルギーニP140(1980年代終盤)

ジャルパに代わり、ランボルギーニのボトムエンドを支えることになる、はずだったP140。開発のスタートは1980年代終盤、クライスラー傘下入りしたすぐ後のことだ。マルチェロ・ガンディーにが描いたウェッジシェイプデザインの下には、375psの4.0ℓV10をリヤミドシップに積み、後輪を駆動するメカニズムが秘められている。4WDの導入も検討されたが、最終的に見送られたのは、コスト的な理由からのようだ。

製作されたプロトタイプは4台程度で、ナルドの周回路での高速走行など、実走テストに供された。この本格的な開発ぶりこそ、真剣に市販化を目指していたと思わせる材料だ。ランボルギーニのアーカイブ部門によれば、まっとうに行けば1992〜1993年に正式デビューするはずだった。価格は当時にして12万5000ドル程度というから、2018年の貨幣価値に換算すれば約2500万円といったところ。金額的に見れば、ポルシェ911カレラ4とディアブロの間といったところか。

しかし、P140は1990年代初頭にお蔵入りとされた。これを市場に投入するに足るリソースがなかったことに加え、スーパーカーの世界的な需要が落ち込んだことも原因だ。

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