英国流、激安中古車のすゝめ 日産マイクラ1996年式 総額300ポンド、何できる?

公開 : 2018.09.29 11:40  更新 : 2021.03.19 11:28

長旅も問題無く さらなる野望も

こうして、ある気持ちのいい火曜の朝、ブリストルにある自宅からヒースローまでもたどり着けないかも知れないと思いながら、P289 BUX号をM4号線に沿って東へと進む旅へと連れ出すことにしたのだ。レディングで42ポンド(6200円)を支払いレギュラーガソリンを給油すると、その瞬間このクルマの価値は20%上昇した。

スラウ周辺でようやくリラックスすることができた。緊張と不安とともに出発してしばらくは、このあまりキレイとは言えない古いクルマに相応しい注意と忍耐をもって運転していた。それでもすぐに走行車線を走るドイツ製セダンに遅れをとることなく、真っ新な新車よりも丁寧にこのマイクラを運転し始めていたのだ。

M25号線に入って時計回りに進み、最終的にM11号へと合流した。ノーフォークにあるスワファムへと向かっていたが、そこでバンガーノミクスと名付けられた激安中古車教の始祖たるジェームス・ルパートに会うことにしたのだ。ルパートのコメントは番外編で紹介しているが、AUTOCARが誇るこの激安中古車の大家のコメントも、正直物足りなかったと言えばそれで十分だろう。


旅の半分を終え、家へと引き返すタイミングだったので、高速道路ではなくクロスカントリーロードを通ってブリストルへと戻ることにした。スワファムからはハンティンドンへと進み、さらにノーザンプトンを越えてバイチェスターへと下り、コッツウォルズを抜けてチェルトナムからはM5号線でブリストルに帰り着いた。トータルで500マイル(805km)に満たないささやかな旅だ。

マイクラが調子を崩すことはまったくなかった。乗り心地は、少なくとも実験用シャーレよりも大きな何かに乗り上げるまでは問題無く、快適で視界も良好、ノンアシストの活き活きとしたステアリングはB級路で思う存分運転を楽しませてくれた。

16バルブのエンジンは素晴らしくスウィートで、そのギアシフトはダイレクトかつタイトなものだった。クラッチのミートポイントがかなり手前だったことを除けば、P289 BUX号の寿命を感じさせる兆候などまるでなかった。

MOTが期限切れになるまでの10カ月間、このクルマで走り回って、その後は部品ごとに売れば支払った200ポンド(3万円)を取り返すことができるだろう。だがさらに大胆な計画がある。この車歴22年の日産マイクラがどれほどタフかを証明すべく、ダートトラックレーサーへと転身させようとも考えているのだ。乞うご期待を・・・。

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