回顧録 1000万円で手に入る高性能車対決 GT-R vs ガヤルド

公開 : 2019.01.24 10:50  更新 : 2019.01.24 11:36

時を経ても衰えない鮮烈さ

わたしがまず乗り込んだのはガヤルドだ。というのも、ここしばらくこのクルマには触れておらず、最後に試乗したのはマイナーチェンジ後のLP560-4だったからである。試乗に供されたこの個体は走行距離5万8000km弱を数えていたが、乗ってみるとわたしがかつて試した新車のフィールを残していた。

低く設えられたホールド性の高いシートに腰を下ろしキャビンを見回すと、ディテールにはアウディからの流用部品が散見されるものの、やはり全体としてはドラマティックな雰囲気を醸し出しており、スーパーカーに乗り込んだのだと一瞬にして実感させてくれる。エンジンに火を入れれば、アイドリングから強烈なエグゾーストノートを響かせ、その印象はさらに強くなる。

オーディエンスだけでなく乗り手にも威圧感を与えるガヤルドであるが、運転してみると意外にボディが大きく感じられないのも特徴だ。フロントウインドウ越しに見えるフェンダーの隆起から数cm先にノーズの先端があるのが手に取るようにわかるし、5.0ℓV10が前後アクスルの間に位置しているため意のままに操れる感覚が強いのである。

試乗車は5年落ちの個体だが、アクセルを床まで踏み込み、地平線に向けて猛加速したときもエンジンが劣化しているとは感じられなかった。V10の排気音と8000rpm直前にバルブが発する動作音が奏でるサウンドには一分の曇りもなく、鮮烈さは新車当時のままであった。

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