新技術ことはじめ 真のパイオニア vs 世間が考えるパイオニア 目指すは名誉回復

公開 : 2019.03.03 16:50  更新 : 2021.03.05 21:42

ターボモデル

ポルシェ911ターボとBMW 2002ターボのどちらが公道ターボモデル第1号だろう? どちらも1973年のフランクフルト・モーターショーでデビューしており、個人的にはBMWのほうが先に量産に入ったと主張したいところだが、実はこれはひっかけ問題なのだ。正解はオールズモビル・ジェットファイアが公道ターボ第1号となる。

だが、ジェットファイアがデビューした1962年当時でさえ、自動車世界におけるターボは決して新しい技術ではなかった。実際、自動車世界に関するトリビアを紐解いてみれば、この議論は1952年のインディ500でポールポジションを獲得したターボディーゼルモデルへと行きつくことになる。そう、ディーゼルだ。

それでも、公道へターボを持ち込んだのは、シボレー・コルベア・モンツァと並んで、ジェットファイアだった。ジェットファイアはオールズモビル・カトラスをベースに、ギャレット・エアリサーチ社製ターボを3.5ℓV8「ターボロケット」エンジンに搭載し、パワーは40%増しとなる218psに達していた。

残念ながら、このクルマではガソリンだけでなく、アルコールと蒸留水の適切な管理が必須であり、こうした面倒を敬遠する顧客が多かったために、ジェットファイアの生産台数は1万台以下に留まっている。

真のパイオニア

1962年:オールズモビル・ジェットファイア

世間が考えるパイオニア

1973年:ポルシェ911ターボとBMW 2002ターボ

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