ミニ生誕60年 歴史と思い出を振り返る 限界への挑戦、まだまだ続く

公開 : 2019.03.03 07:50

素晴らしい結果

マシンが宙に飛び出したかと思うと、巨大なタイヤは激しく空転を始め、ふたたび着地した次の瞬間には激しい加速が襲ってくる。さらに、ブレーキも、グラベルやサンドどころか、まるでゴム入りアスファルト舗装ででもあるかのような強烈な効きをみせるのだ。

だがそれも、フラットな路面から、一見海のように緩やかな起伏を繰り返す広大な砂丘へと進入したときに経験した衝撃に比べれば、なんということはなかった。

さらに、プリツィゴンスキーがどうやって進行方向を見定めているのか、まるで見当がつかなかった。ある時にはまったくコースは見えず、またある時には目隠しをされたような状態で砂丘から飛び出し、時には衝突試験のダミー人形になったかのように、急こう配の砂丘へと突っ込んでいく。

こんな運転を10分以上も味わった。カントリーマンはまるでコースを破壊するかのようであり、最後には、どうやったらドライバーとコドライバーは、こんな状態を丸一日耐え続けることができるのかと思ったが、彼らはそれを実際にやっているのだ。

ヤコブ・プリツィゴンスキーとベルギー人のコドライバー、トム・コルソウルはこの過酷なラリーを10日間以上も戦い抜き、4位という素晴らしい順位でフィニッシュしている。

Xレイドチームからは、トヨタGazooハイラックスで優勝したナッサー・アル-アティヤとマシュー・バウメルに続き、2位となったナニ・ロマを筆頭に、5台がトップ10以内に入っている。

彼らの勇気とその技術には敬意を表さずにはいられない。特に、オンボード映像に映るコクピット内の様子は、まるで自由落下するスペースカプセルに乗って、大気圏へと再突入するふたりの宇宙飛行士を見ているようであり、その違いといえば、単にこちらのほうが、それが長く続くということだけなのだ。

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