フェラーリ・モンディアル 2+2にV8エンジン 現代にはない上品さ

公開 : 2019.05.16 08:40  更新 : 2020.12.08 10:40

実用性にも優れたモンディアル

今回登場いただいたのは、マーティン・ターシルが所有するモンディアルt。英国のフェラーリ・ディーラーから2017年の5月に購入したクルマで、1990年からの整備簿がきれいに揃っている。「わたしは昔からフェラーリに憧れていました。308GT4sと初期のモンディアルを探していたのですが、より技術的に進んだ後期モデルを購入しました」

興味深いのは、別の愛車であるポルシェ911タルガよりも利便性が高いと彼は感じていて、購入後のトラブルは、エアコンの温度調整スイッチの不具合程度だということ。だが、サンルーフを開ける勇気はないという。「サンルーフは付いているのですが、正しく組み付けられていないと、ボディの塗装を傷つける恐れがあるんです」

タイヤはピレリのP6000が装着され、5本のラグボルトで固定される5スポーク・ホイールのリム部分にはフェラーリの刻印が入り、ガラスには小さなフェラーリのロゴマークが記されている。長いドアを大きく開き、ドライビングポジションを取ると、頭上には背の高い帽子が被れそうな空間が残る。身長のある大人でも、ショートノーズで背の高いクルマに収まると、外から見ると少し小柄に見えるほど。ガラス面積が大きいキャビンは、英国であってもエアコンが必要となる。

ダッシュボードの眺めは、かつての英国車ローバー 2000(SD1)に見られるモジュラーデザインが採用されているが、こちらのほうが遥かにスタイリッシュ。フロントタイヤのホイールハウスがあるおかげで、右ハンドル車の場合は前方左斜めに足を伸ばす形となる一方で、ステアリングコラムは若干右にオフセットしている。

できの良いシートと腕周りに余裕のある空間、広いグラスエリアで得られる明るく開放的な雰囲気が、ドライビグポジションのねじれも許せてしまう。加えて、充分な深さのラゲッジルームに、12歳位までの子供か、小柄な大人なら普通に座ることができるリアシートも備えているのだ。

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