MGの救世主になり損ねたスポーツカー EX234開発計画 もし実現していたなら

公開 : 2019.06.22 09:50

プロジェクトを振り返る

このプロジェクトはシド・エネバーによって提案され、1964年2月に開始された。作業はエネバーが自分の後任としてチーフエンジニアなることを期待していたロイ・ブロクルハーストの監督の下で進められ、プロジェクトオフィスの製図工マイク・ホリデーとジム・シンプソンが、ミジェット、オースティン・ジプシー、ADO16を含む複数のモデルからBMCのメカ要素を採り入れた、ユニークなスティールプラットフォームを設計した。

残念なことに、50年経った今、オフィスにはこのプロジェクトに関する資料があまり残っていないが、元MGの開発メカニック、ジョフ・クラークが、プロジェクトに携わった当時を楽しげに思い出しながら、こう語ってくれた。

「1965年当時、まだ見習いを終えたばかりで、EX234は正社員になってから初めて取り組むプロジェクトだったのです。確かこのクルマは、フロアパンから構成されるローリングシャシー、サスペンション、エンジンの形でイタリアに送られ、ボディを載せた際に十分なゆとりがあるかを調べるためにそこで組み上げられたはずです」

「工場に送り返された時には、ほぼ完成した形になっていたのですが、まだ色々なバリ取りや仕上げが必要だったと記憶しています。わたしの最初の仕事は、リアサスペンションを変えることでした。最初はBMC1100のパーツを使っていましたが、ロイ・ブロクルハーストはこれに満足していなかったため、自分が1800(ADO17)のディスプレイサーに合うよう手を加えました。これはかなり単純な作業だったため、直ぐに終わり、その後はブレーキシステムを集中的に作業しました」

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