グリフィスが待ちきれない 英国TVRの個性的なワンオフ・スポーツカー 10選

公開 : 2019.07.20 07:50  更新 : 2021.02.17 17:44

TVR 420スポーツサルーン(1986年)

実用性を意識したモデルは殆ど生み出してこなかったTVR。唯一ともいえるのが、TVR創業者のトレバー・ウィルキンソン時代に存在したスポーツサルーンと、タスミンの発表後しばらくして追加変更された+2モデルくらいだった。もちろんリアシートは小さな子供向けではあったけれど。

しかしTVRは、420スポーツサルーンで大人のパッセンジャーを載せたいという要望にこたえる。420SEAC由来のシャシーに、セルフレベリング機構付きのリアサスペンションを搭載。リアシートのヘッドルームを稼ぐために、ルーフラインは不格好に高められていた。

スタイリングは全く新しいとうたわれていたが、明らかにタスカンベース。まるでフォード・コルティナMkVのリアエンドを350iに取り付けたようだった。最高出力268psを発生するV8エンジンと、内容はまずまずだったが、10月のモーターショーに訪れた来場者の反応は冷ややか。プロジェクトはお蔵入りとなり、ボディは切断され、フロントエンドは先に紹介したホワイト・エレファントに流用されている。

その後もTVRの当時のボス、ピーター・ウィーラーは2+2のアイデアを諦めてはいなかった。そのかいあって、420スポーツサルーンから10年ほど経って登場したTVRサーブラウが、大きな成功をおさめるのだった。

マニアな小ネタ

2.8ℓのV6エンジンを搭載したタスミンの2+2は47台作られただけでなく、TVRはV8エンジンを搭載した350iの+2バージョンを6台製造している。

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