エネルギーの小さな塊 試乗 アバルト595エッセエッセ アバルト誕生70周年

2019.07.18

2000rpmから本領を発揮するエンジンとマフラー

機械式のリミテッド・スリップデフも装備されているが、トルクの効きは弱い模様。コーナーの中程からスロットルを踏み込んでいっても、内側のラインへ巻き込んでいくような感覚は、期待するほどではない。直線での加速時には効いており、フロントタイヤが路面を蹴り上げると同時にステアリングが重くなる感覚が伝わってくる。

だが、595は間違いなく速い。ターボ過給される1.4ℓエンジンは2000rpmを超えた辺りから本領を発揮してくる。595コンペティツィオーネ・モンツアのように、アクセルオフでのやや幼い破裂音は聞こえてこないものの、アクラポビッチ製のマフラーからは社会的に憚れるような轟音が響く。

ブレンボ製のブレーキも良い。ストッピングパワーは力強く、効きの加減も漸進的だ。ブレーキペダルがオフセットしているから、ヒール&トウ時のアクセルペダルとのコンビネーションもパーフェクトと呼べる。一方で5速マニュアルには少しがっかりした。シフトノブは操作しやすい高い位置にあるが、操作感がルーズでクラッチを踏んだ感覚も剛性感が薄いものだった。

それ以外の部分ではフィアット500そのもの。乗員の空間も荷室も広いわけではないし、インフォテインメント・システムも、使いやすさやグラフィックスではひと世代前の内容。インテリアはしっかり作り込まれているとはいえ、安っぽい素材感は価格が半分のオリジナルの500と基本的に変わらない。特にダッシュボードの上面と、ドアパネルの下などは、あまり見ないほうが良いだろう。

 
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