東京モーターショー2019 よかったところ/改善点 クルマ離れ加速で来場者数130万人突破

公開 : 2019.11.07 11:50

東京モーターショー2019が終わりました。プレスデーから一般公開日にかけて、何度も足を運んだ加藤久美子が総括を書きました。よかったところや2年後に向けて改善してほしいところ、記憶に残るブースをお届けします。

「総入場者数」130万人超でまずは目標達成?

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

11月4日(祝)に幕を閉じた第46回東京モーターショーは、前回(2017年第45回)の来場者77万人を大幅に上回る約130万人を集めた。

今回は異例づくめの開催だった東京モーターショー。「異例」を「生まれ変わった」というキャッチコピーに代えて、マツコ・デラックスを起用したTVCMなどで盛んにアピールした。

マツダはキッザニアで「金型磨き職人」の体験を提供した。
マツダはキッザニアで「金型磨き職人」の体験を提供した。

またマツコの複数の番組で東京モーターショーの特集が組まれた。ご覧になった方も多かったと思う。

改めて今回のモーターショーが前回までと変わったところをおさらいしてみよう。

・青海エリア(青海展示棟やMEGA WEBなど)と有明エリア(東京ビッグサイト)の分割開催
・高校生まで無料(前回は中学生まで)
・無料エリアを大幅拡大(オープンロード、FUTURE EXPOなど)
・海外完成車メーカーの出展が激減(VW,アウディBMWなどのドイツ勢が軒並み撤退)
・キッザニアと提携し「Out of KidZania in TMS2019」を展開
・クルマと直接関係のない企業の出展が大幅増

ネガティブ要素が多くなって来場者の大幅減少が予想されることから、主催者の日本自動車工業会では無料エリアや無料入場対象者を大幅拡大するなどの対策を講じ、結果的に「総来場者数130万人」を突破できた。

ちなみにこの「130万人」には無料入場者(高校生以下、障害者他)、無料エリアなどすべて含んだ数字となる。

1人の来場者が青海展示棟とビッグサイト西・南館、MEGA WEBに入場すればそれで「来場3人」とカウントされるようだ。

入場ゲートがない「OPEN ROAD」への来場者をどうカウントしているのかは不明だ。

自工会が「お詫び」をした会場間の移動

主催の自工会が発行した11月5日のプレスリリースでは来場者数の公表の他、青海と有明の会場移動についての不便さをお詫びする文章も掲載されていた。

実際、この会場移動は本当に大変だった。

プレスリリースに青海と有明の会場移動についての不便さをお詫びする文章が掲載されていた。
プレスリリースに青海と有明の会場移動についての不便さをお詫びする文章が掲載されていた。

特に前半は雨天の日が多く、OPEN ROADでの展示や試乗会などもほとんどがお休み状態となっていた。

となると移動手段は無料シャトルバスになるがこれも平均で30〜40分待ちとなり、また会場間の移動も渋滞などで15〜20分かかる。待ち時間+移動時間で1時間以上掛かったケースも珍しくなかった。

結果、会場移動を諦める人も少なくなかったようだ。とくに日曜祝日は渋滞などで苦労して会場にたどり着いたら今度は会場間の移動に時間を費やし、西・南館を見るだけで精いっぱい、というパターンも。

しかし、天気のよい日にOPEN ROADを使っての移動は、おおむね好評だったのではないかと思う。筆者も実際に2回、OPEN ROADを歩いたが、小型モビリティの試乗を楽しんだ人も大勢いたし、ベビーカーを押しながらお散歩感覚で歩く家族連れも大勢いた。痛車をはじめとしたユニークな展示車両など見ながら楽しく過ごすことができた。ゆっくり歩いてだいたい30分くらい。

また、一部のマニア(?)にはシャトルバスによる面倒な移動の中、貴重な体験を喜ぶ人もいた。移動のシャトルバスにトヨタ自動車や日野自動車の「社員用バス」が使われていたことが理由だ。

ふだんは関係者以外乗ることがないバスなので、貴重な機会となった。

関連テーマ

おすすめ記事