新型ロッキーは「あと乗り」ではない? 実は長いダイハツSUVの歴史 振り返る

公開 : 2019.11.11 11:40  更新 : 2021.10.13 13:59

ダイハツ・ロッキーが投入される以前にも他社は「小さなSUV」を投入。したがって「あと乗り」と思われがちです。しかし歴史を振り返ってみると、コンパクトSUVに関しては先駆者とも言える長い歴史がありました。

発表されたばかりのダイハツ・ロッキー

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)

1980年代に登場したクロスカントリーSUVの名前「ロッキー」を引き継いだ2世代目の新型ダイハツ・ロッキーは、DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)プラットホームを使った5ナンバーサイズのボディに、1Lターボエンジンの組み合わせ。ありそうでなかったクロスオーバーSUVとなっている。

先般開催された東京モーターショー2019でも2台が展示され、多くの来場者が入れ代わり立ち代わり車両をチェックしていたところを見ると、かなりのヒットが期待できそうな車種と言っていいのではないだろうか。

投入されたばかりのダイハツ・ロッキー。
投入されたばかりのダイハツ・ロッキー。

一過性のものと思われたSUVブームも気付けば早幾年。本格的スポーツカーメーカーから超高級車メーカーまで、いままでSUVをラインナップしてこなかったメーカーも続々と新型SUVを投入している。

小型車を得意とするダイハツも遅ればせながらようやくその「小型SUV」の波に乗ってきた、と思われる方もいらっしゃるかもしれない。

しかし、実はダイハツはコンパクトなSUVに関しては先駆者とも言えるほど長いヒストリーを持っているメーカーなのである。

今回はそんなダイハツSUVの歴史を振り返ってみよう。

1970年代にすでにLカーのSUVをリリース

ダイハツSUVの歴史をスタートさせたのは、1974年にデビューしたタフトだった。

当時の本格的な四輪駆動車は、トヨタランドクルーザー日産パトロールといった本格的な大型のタイプか、軽自動車のジムニーかという非常に極端なラインナップとなっていた。

ダイハツ・タフト
ダイハツ・タフト

そこに割って入ったタフトは、現在の軽自動車ほどのサイズのボディに1Lのガソリンエンジンを搭載したモデルだった。

とはいえ、ラダーフレームと4輪リーフリジッドアクスルのサスペンションを持つ本格的なもので、ルックスを含めて「ミニランクル」といった装いを持っていたのである。

なお1976年には、当時業務提携関係にあったトヨタから1.6Lガソリンエンジンの供給を受けてラインナップへ追加。

78年には自社製の2.5Lディーゼルエンジンを搭載して1Lガソリンエンジンを廃止するなど、ラインナップの変更が繰り返されている。

そして1980年にはトヨタにブリザードという名前でOEM供給を開始。OEMながらブリザードにはトヨタ製の2.2Lディーゼルエンジンのみが搭載されるという差別化が図られていた。

タフトのデビューから10年が経過した1984年にフルモデルチェンジを実施。名前をラガーへと改め、ボディサイズも一回り拡大されていた。

次項で細かく見ていこう。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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