マイナーチェンジ トヨタC-HR 2.0Lハイブリッド版に試乗 人気者の好循環

公開 : 2019.11.25 09:50  更新 : 2021.01.28 17:56

欧州市場へ投入された2.0Lエンジン版のC-HR。アップデートを受けたインフォテインメント・システムも特徴です。人気のクロスオーバーに活気ある走りを与え、多くのドライバーが納得できると英国編集部では評価しています。

欧州全域で40万台を売る人気者

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
C-HRという名称が、クーペ・ハイライダーの略だということを思い返させてくれる、不思議な楽しさがある。日本の自動車メーカーならではの、特異な名前ではあるけれど。

ヨーロッパで開発が進められ、英国仕様はトルコで生産が行われるトヨタC-HRは、2016年以降なかなか具合が良い。日本でも販売は好調だが、欧州でも生産台数は述べ40万台を突破。そのうち5万台が英国へと輸入されている。

トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディション(英国仕様)
トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディション(英国仕様)

ハイブリッドを含めることには若干の抵抗もあるが、代替燃料自動車の英国全体でのシェアのうち約40%をトヨタ車が占めるという数字にも貢献している。そんな、ちょっと変わった人気者のC-HRが、2020年モデルとしてマイナーチェンジを受けた。

内容としてはボディデザインも含め、一般的な内容。フロントグリルがわずかに大きくなり、フォグライトの位置が少し変更を受けている。好みはあると思うが、筆者はとてもハンサムなクルマだと思う。

重要なのがエンジンのラインナップ変更。従来までの1.2Lターボガソリンは、新しいカローラRAV4などに搭載される、2.0Lハイブリッドに置き換わるかたちで消滅。1.8Lのハイブリッドは継続され、すべてのC-HRがハイブリッドモデルとなった。

英国顧客の要求に応えた2.0Lハイブリッド

小型モーターと2.0L 4気筒エンジンとの組み合わせにより、システム総合での最高出力は183ps。より高い馬力を獲得したのに合わせて、ショックアブソーバーやサスペンションにも変更を受け、操縦性の向上も狙っている。騒音や振動面でも改善を受けている。

トヨタによれば、ハイパワー版の2.0Lハイブリッドは、英国ではC-HRの販売台数の25%を占めると予想している。顧客から寄せられた、もう少し速い仕様のC-HRが欲しい、という希望を満たせるはず。

トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディション(英国仕様)
トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディション(英国仕様)

1.8Lハイブリッドは、ちょっと非力な印象は否めなかったから、顧客の要望はうなずける。得られたエクストラパワーは、盛大な量とはいえないが、筆者としても大歓迎だ。鋭さを感じるほどではないにしろ、0-100km/h加速8.2秒を疑うことはない充分な加速力を披露する。

トヨタ製ハイブリッドらしく、組み合わされるトランスミッションのはCVT。しっかりした加速を得ようとすると、不要にエンジンの回転数が上昇する傾向があることは避けられない。だが知覚されるノイズや振動などにも、改善を受けている。これまでの4気筒エンジンとは異なり穏やかだ。

むしろ、アクセルペダルを深く踏み込むような場面はかなり稀。高速道路なども含めて、実世界の状況とはかけ離れた走りが必要となる場合くらいだろう。

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