マイナーチェンジ トヨタC-HR 2.0Lハイブリッド版に試乗 人気者の好循環

公開 : 2019.11.25 09:50  更新 : 2021.01.28 17:56

適度な一体感を生む優れた操縦性

穏やかな操作を促すC-HRは、スムーズに洗練された仕草で進む。トヨタのハイブリッドの多くで味わえる走りだから、新しい驚きではないけれど。

操縦性も引き上げられている。ステアリングは軽く、適度に機敏で正確。ドライバーにとっても好ましいレスポンスを備えつつ過度な緊張感も産まない、良好なバランスにまとめられている。

トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディション(英国仕様)
トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディション(英国仕様)

クルマは素早く進行方向を変え、グリップ力は高く、ボディロールも大き過ぎない。興奮するほどではないが、軽めのドライバーとの一体感は、好印象な程度に得られる。

乗り心地にも柔軟性があり、強い振動が伝わってくるのは酷い路面に限られる。高速道路の速度域ではサイドミラー周辺から風切り音が目立ってくるが、車内の包まれ感は高い。スイッチ類などのレイアウトも機能性とスタイリングとがうまくバランスし、良く仕上げられていると思う。

左右非対称のダッシュボードは、ドライバー優先のデザイン。運転席からの操作性は良く、必要な操作系はすべて手の届く範囲にまとめられている。素材の質感も、視覚的にも触覚的にも、かなり良くなった印象だ。

インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに標準対応。トヨタ純正のソフトウェアのできが良いとはいえないから、喜ばしい変更点だ。

多くのドライバーが納得できるまとまり

残念な部分もなくなはい。リアシートは、膝周りの空間には余裕があるものの、大きくスロープしたルーフラインによって頭周りの空間は限定的。身重のある大人は、特に暗い気分でなくても前かがみになって座ることになるだろう。

荷室容量も358Lで、クラス水準で見ると狭い。コンパクトカーのセアト・イビザでも355Lはある。

トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディション(英国仕様)
トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディション(英国仕様)

価格も気になるところ。試乗車はトップ・トリムグレードで、しかも特別仕様車だったこともあり、高めの値段は仕方ない。とはいえ3万2595ポンド(456万円)はかなりの金額だ。エントリーグレードの2.0Lハイブリッドでも、2万9645ポンド(415万円)もする。

それでも特に都市部では、バッテリーの力で比較的長い距離を走行することも許してくれる。魅力的なWLTP値での燃費に迫る経済性で運転することも難しくないから、ガソリン代は浮くはず。C-HRの2.0Lハイブリッドに不満を抱くドライバーは、殆どいないのではないだろうか。

トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディションのスペック

価格:3万2595ポンド(456万円)
全長:4360mm
全幅:1795mm
全高:1550mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:8.2秒
燃費:18.5−18.8km/L
CO2排出量:118-120g/km
乾燥重量:1485kg
パワートレイン:直列4気筒1987cc+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:19.3kg-m/4400-5200rpm(ガソリンエンジン)
ギアボックス:CVT

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