【奥深きミニカーの世界】手に入れるべきは好きなモデル 値上がり、期待は禁物

公開 : 2019.12.07 06:00  更新 : 2022.09.26 14:35

理由はノスタルジー 投資には反対

ブルックは1000台以上のミニカーをコレクションしており、その多くの価格が上昇しているものの、決してお金のために収集しているわけではないと話す。

「すべては子供時代と、実際に所有したことのクルマに対するノスタルジーです」と彼は言う。「最初に手に入れたミニカーはマッチボックスのNo.5レッドバスで、蚤の市で10ペンスでした。もっとも希少なモデルは1959年につくられたディンキーのロールス・ロイス・シルバーレイスです」

1959年製シルバーレイスがいまのブルックにとってはもっとも大切なモデルだ。
1959年製シルバーレイスがいまのブルックにとってはもっとも大切なモデルだ。

その多くが箱に入ったままのこうした希少なモデルというのはどこから供給されているのか、なによりも、どんな子供がこんなにキレイにミニカーを保管していたというのだろう?

「マーケットやオークション、さらには店を訪れたひとびとからミニカーを仕入れています」とハーレーは教えてくれた。

「箱入りの古いモデルや新品のようなコンディションを保ったままのミニカーを持ち込む個人というのは、たいていが引退した専門家であり、彼らは最初から非常に丁寧に自分の持ち物を取り扱うのです」

さらに、時おり埃を被ったままで売れ残った大量のミニカーが発見されることもあり、それは世界中どこでも起こり得る可能性があると言う。

いま、将来的に最高のコンディションを維持したままのミニカーが見つかるのではないかとハーレーが目を付けているのがイランだ。

それでも、こうして大量にコンディション良好なモデルが発見された場合、それまでの価格帯が破壊されてしまうという問題があり、だからこそハーレーはミニカーを投資の対象としてみることには反対なのだ。

ポップアップ式ルーフの秘密

「本当に好きなモデルを収集すべきであり、将来の値上がりなど考える必要はありません」と彼は言う。「箱入りの状態であれば高値が期待できますが、車両自体の状態も最高でなければいけません」

その他にコレクターの高齢化もミニカー相場に影響を及ぼしているという。

奥深きミニカーの世界
奥深きミニカーの世界

ミニカーのオークションを定期的に開催しているWarwick & Warwickで査定を担当するリチャード・ビールは、1950年代以前に子供時代を過ごし当時のモデルを収集しているコレクターの数が減っているため、こうしたモデルの価格帯も弱含んでいると話す。

「一方、1960年代のモデルは依然として価格が上昇しています」とも彼は付け加える。

ハーレーの店にあるDB5のスタイルが気に入ったが、これはわたしが5歳の時に発売され、手に入れたものの、もはや使い物にならなくなるほどボロボロにしてしまったモデルだ。

ハーレーはポップアップ式ルーフが本来どう収まっているべきかを教えてくれた。

「ほとんどが助手席をふたたび取り付けようとしてルーフを押さえつけられたためにダメージを負っています」と彼は話す。「ダメージを避けるには、まずシートを取り付けた後でルーフを固定するのです。コレクターはこの点に注意すべきです」

おそらくは彼の言うことは正しいのだろうが、個人的にはどれくらいパッセンジャーシートの住人を空高く打ち上げることが出来るかのほうに興味があった。

だが、残念ながらまさに疾走するDB5の進路に投げ出されるだけだったのだ。

実際に映画でこんなシーンが登場したかは記憶にない。

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