【エコな高級SUVクーペの最有力】メルセデス・ベンツGLE 350de クーペ 90.9km/L

公開 : 2019.12.26 09:50

新しいディーゼルエンジンとハイブリッドの組合せを得た、メルセデス・ベンツGLEのクーペが350de。トップクラスのEVモードでの長い走行距離と低い二酸化炭素排出量を実現しています。オーストリアで評価しました。

アウディQ8BMW X6に対峙する2代目

text:Greg Kable( グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
メルセデス・ベンツによる高級SUVクーペへの参入はやや遅いものだった。他のプレミアム・ブランドが高級モデルの稼ぎ頭をリリースする中で、周囲を静観し作戦を立てていたのかもしれない。

2015年にGLEクーペが登場するや、すぐに大きな成功を味わったメルセデス・ベンツ。良い流れを乱さないように、2代目モデルは早々のリリースとなった。先代よりも洗練されたボディデザインを持ち、インテリアの高級感も大きく向上させている。

メルセデス・ベンツGLE 350de 4マティック・クーペ
メルセデス・ベンツGLE 350de 4マティック・クーペ

新しいGLEクーペが対峙するのは、アウディQ8やBMW X6、ポルシェカイエン・クーペなど。だが単なるモデルチェンジではない中身もPHEVによって獲得している。

個性的なデザインを引き立たせるように、クーペではないGLEと比較してホイールベースは62mmも短く、2935mmに設定。だが先代のGLEクーペと比較すると、ボディは一回り成長。全長は39mm増えて4939mmに、全幅は7mm増えて2010mmに、車高は1mm低くなり1730mmとなっている。 

アグレッシブなボディデザインと呼応するように、インテリアも同様に全面的に刷新されている。何より目立つのは、2面が並ぶ12.3インチのモニター。メーター用とインフォテインメント・システム用だ。

モニターは、複数層が重なるようなデザインのダッシュボード上に一体化されレイアウト。MBUXと呼ばれるOSで稼働する。タッチモニターだけでなく、音声認識やジェスチャーコントロール機能にも対応。ステアリングホイールの小さなタッチパッドと、センターコンソールの大きなタッチパッドでも操作が可能となっている。

先進的で高級感あふれるインテリア

メルセデス・ベンツらしくGLEクーペの運転環境に不満はない。高めの着座位置で、見下ろすかたちの良好な前方視界が得られ、インテリアの素材も高級感にあふれている。フロントガラスには幅450mm、高さ150mmのサイズで、ヘッドアップディスプレイが投影される。

渋滞時に半自動運転を支援してくれるストップ&ゴー・アシストも搭載。幅広い運転支援システムを採用している。

メルセデス・ベンツGLE 350de 4マティック・クーペ
メルセデス・ベンツGLE 350de 4マティック・クーペ

反面、車体サイズは大きくなっているが、車内の空間は特に広がりは感じられない。前席の肩周りは21mm余裕が出たが、他の座席周りの空間の計測値には大きな変化は見られなかった。

それでも、大きく傾斜するクーペスタイルのルーフラインとテールゲートを備えつつ、高い実用性は確保。大人5名が座るのに充分なシートと、655Lの荷室空間が用意されている。荷室容量は標準のGLEより25Lも大きいのだ。またテールゲートの開口部は59mm低くなっている。

GLEクーペの基本骨格をなすのは、メルセデス・ベンツ製のMHA(モジュラー・ハイ・アーキテクチャー)プラットフォーム。最新の標準GLEとGLSと共通。先代よりボディ剛性は33%も高められ、フロントとリアのサスペンション・マウント付近にはアルミニウム製部品が用いられている。

エンジンは、英国ではガソリンとディーゼルの両方が用意され、ディーゼルはプラグインハイブリッド(PHEV)も選べる。トランスミッションはすべてに9速ATが搭載され、4輪駆動システムの4マティックが組み合わされる。

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