【3列7人乗りSUV】新型M・ベンツGLEクラス試乗 300 dの価格/内装/走りを評価

公開 : 2020.01.05 20:50  更新 : 2021.10.11 13:51

新型メルセデス・ベンツGLEクラスを日本で試乗。3列7人乗りシートを全車に標準採用。ベーシック仕様のディーゼル車、GLE 300 dを評価します。

どんなクルマ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

GLEクラスのライバルには何が相応か。意外と悩ましい問いである。

レクサスRXはどうか? スポーツ&ツーリング傾向が強すぎる気がする。ならばLXは? これはランクルの姉妹車でもあり、オフロード志向が強すぎるような。

エッジやラインを減らし面を強調。質実剛健なデザインが現代的ラグジュアリーを表現。
エッジやラインを減らし面を強調。質実剛健なデザインが現代的ラグジュアリーを表現。

同門からGクラスは? オフロードに本気すぎて乗用車のイメージが希薄。ランクルとレクサスRXの間くらいが収まりがいいか……。

メルセデス・ベンツのSUVラインナップではGLSクラスに次ぐ上位設定となるモデルがGLEクラスである。

プラットフォームにはFR車用でも上位設定となるMHAを採用し、全車にフルタイム4WDを採用する。ハードウェア構成からも分かるようにハードクロカンでの常用を前提に開発されたSUVではないが、オンロード主体にレジャーなどでのクロカン走行にも対応。

そのカバーレンジを大きく取ったのが特徴だ。

トルク 5Lエンジン並み

外観は上級ワゴンにも似た落ち着きを感じさせるもので、5×2mに達する堂々とした体躯と合わせて正統派RVといった印象。この辺りが冒頭の云々なのだが、トレンドよりベンツ車らしさにこだわった結果と言えよう。

試乗モデルは日本に輸入されるGLEクラスではベーシック仕様となるGLE 300 d 4マティック。

メルセデス・ベンツGLE 300 d 4マティックの前席
メルセデス・ベンツGLE 300 d 4マティックの前席

ベーシックといってもパワートレインは5L級ガソリン・エンジン並みの最大トルクを誇る2L 4気筒ディーゼルに、上級クラスでは定番化しつつある9速ATを採用。2.3トンの車重をしても十分なスペックである。

上位グレードとは装備設定が異なるが、OP設定されたAMGラインとレザーエクスクルーシブパッケージの装備により内外装関連は上級グレードと同等にすることができる。

もっとも、両パッケージを装着すると、GLE 400 dとの価格差は約60万円でしかない。電子制御エアサスや駆動トルク可変分配型4WDの装備を考慮するならGLE 400 dを選ぶべきだろう。

なお、試乗モデルには撮影映えするAMGラインを装備している。

どんな感じ?

重量級のSUVの動力性能では滑らかな応答性が重要。動き出しのコントロールしやすさは普段使いでの扱い易さだけでなく、悪路走行時の踏破性にも関わってくる。

今回の試乗ではオフロード・ステージはなかったが、登坂発進や駐車場での取り回し等々の細かなアクセル操作を必要とする状況でも操りやすい。悪路での扱いも良さそうである。

後席はホイールベースの延長により、居住性が向上している。
後席はホイールベースの延長により、居住性が向上している。

車体サイズのわりに最小回転半径が小さいこともあって大型SUVに不慣れなドライバーでも戸惑うことはないだろう。

登降坂が連続する山間のワインディングロードに入っても印象は大きく変わらない。大トルクの余裕をそのままに細かなアクセルワークにもよくついてくる。長い登坂では1段低いギアを維持して変速頻度を少なくするなど、走行状況を的確に捉えた変速制御が素直で力強いエンジンを一層頼もしく感じさせる。車格を実感させる余裕とドライバビリティである。

動力性能はGLEクラスに十二分と言えるが、フットワークは微妙である。誤解なきよう付け加えるなら、出来が悪いという意味ではない。

GLE 400 dとGLE 450に採用された電子制御エアサスの出来が良すぎて、相対的にGLE 300 dが普及仕様のように思えてしまう。エアサス仕様に乗らなければそんな気分にもならなかったのだが……。

この記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。

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