【欧州ディーゼル四駆】600万円台で「買い」はどのクルマ? 独/伊/英3台を日本国内で試乗

公開 : 2020.02.12 10:50  更新 : 2021.10.09 23:55

ディーゼル花盛りの、日本における輸入車市場。四駆ならどれが「買い」でしょうか? BMW 320d/アルファ・ロメオ・ステルヴィオ/レンジローバー・イヴォークの3台を、日本国内で桃田健史が比べました。

独/伊/英 600万円台のディーゼル 味の違い

text:Kenji Momota(桃田健史)

ディーゼル花盛りの、日本における輸入車市場。四駆ならどれが買いか?

ドイツ、イタリア、英国の600万円台のディーゼル四駆を乗り比べてみた。

比較したのは、「ディーゼルエンジンの味」である。

そこで見えてきたものとは……。

BMW 320d xドライブ・ツーリングMスポーツ

とにかく、静かだ。振動も少なく、アイドリング状態では、同じ日に乗り比べたガソリン車の118i Playよりも確実に少なかった。

様々な走行シーンを試すと、ディーゼルの味付けそれぞれ違うように感じるのだ。

BMW 320d 写真:AUTOCAR英国編集部
BMW 320d 写真:AUTOCAR英国編集部

市街地では「これって、本当にディーゼル?」と思えるほど、低回転域でのトルクの出方が自然だ。1250rpmからトルクがじんわりと増える。

最高速度70km/hの有料道路では、本線への合流、追い越し加速、料金所出口での加速などを試したが、どんな状況でも、アクセル操作に対してディーゼルエンジンのキレがあるのだ。

可変ジオメトリーターボと8ATの連携は見事。いつでも、爽快。ドライバーがディーゼルのトルクに身構えるようなことはない。

手動シフトしてみると、ディーゼルとは思えない6000rpmレッドゾーンまで伸びがいいが、ここでもドライバーが身構えるようなことはなく、四駆の重さ感もない。

結論は「ディーゼルの優等生」である。

BMW 320d xドライブ・ツーリングMスポーツのスペック

全長:4715mm
全幅:1825mm
全高:1440mm
車両重量:1750kg

直列4気筒ターボディーゼル、排気量1995cc。8速AT。最高出力190ps、最大トルク40.8kg-m。

アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4スポーツパッケージ

これほど、違うとは!?

見た目、ハンドリング、乗り心地、そしてディーゼルエンジンの味、すべてに独自性を貫いている。

アルファ・ロメオ・ステルヴィオ 写真:神村 聖
アルファ・ロメオ・ステルヴィオ 写真:神村 聖

まずは、見た目だ。なんだかとても大きなクルマに感じる。世界市場でミッドサイズクラスのクロスオーバーに属するが、とにかく大きく感じるのはボリューミーかつ官能的なデザインによるものだと、改めて思い知らせた。

走り出して、10秒で、いや2~3秒で「なんだこれ!?」と思えるハンドリングと乗り心地に驚く。

BMW 320d xドライブ・ツーリングMスポーツから乗り換えた後だったこともあり、驚きは大きかった。2車は、180度正反対の性格を持っている。

ステルヴィオは、パワステは軽めの設定だが、バケットシートやステアリングを通じてドライバーに伝達されるタイヤと路面の設置感が、レーシングカーに近い。

同じく、独ニュルブルクリンク育ちのスバルSTIにも通ずるところがある感覚がある。

ディーゼルエンジンは、こうした土台の上で「踊る」感じだ。3つのドライビングモードD/N/Aでディーゼル演舞が変化する様が楽しい。

キャッチフレーズ「虜にする引力がある」に、嘘はない。

アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4スポーツパッケージのスペック

全長:4690mm
全幅:1905mm
全高:1680mm
車両重量:1820kg

直列4気筒ターボディーゼル、排気量2142cc。8速AT。最高出力210ps、最大トルク47.9kg-m。

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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