【AMG CLA35とガチンコ勝負】BMW 2シリーズ M235i xドライブ・グランクーペへ試乗

公開 : 2020.02.23 10:20  更新 : 2020.02.23 11:39

BMW 2シリーズ・グランクーペのトップグレードとなるM235i。4気筒ターボを横置きし、パートタイム方式の4輪駆動システムを搭載します。設計は良いものの、見た目は好みが分かれるところでしょう。辛口な英国編集部の評価はいかに。

最高速度も0-100km/h加速もCLA35と同じ

text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
伝統のMの頭文字の後ろには、BMW流の、内容に見合った数字が並ぶ。とはいえ、M235i xドライブ・グランクーペは、古くからのBMW信者に好んで選ばれるクルマではないだろう。

1シリーズのM135iと同じく、2シリーズのグランクーペもFAARという前輪駆動ベースのアーキテクチャに置き換えられた。2ドアのM240iに搭載されていた6気筒エンジンにかわって、4気筒エンジンが搭載されている。

BMW M235i xドライブ・グランクーペ(欧州仕様)
BMW M235i xドライブ・グランクーペ(欧州仕様)

ボンネットを開くと全長の短いエンジンが横向きに、前輪の車軸より前方に搭載されているのが見える。BMW信者への背信行為だと感じる人もいるかもしれない。BMWが幅広く市場調査を行った上での決断だとはいえ、筆者も仕上がりには半信半疑ではある。

メルセデス・ベンツは、4ドアクーペのAMG仕様となるCLAを、2013年から生み出している。今回のM235iは明らかにストレートなライバルモデルだ。

両者とも2.0Lの4気筒ターボから300psを超える最高出力を発生。パートタイム方式の4輪駆動システムを搭載する。紙面上のスペックはほぼ同一で、0-100km/h加速はどちらも4.9秒、最高速度は249km/hに設定されている。

CLA35の試乗では、さほど優れた印象が得られなかった。M135iは後輪駆動モデルだった先代を上手に更新しているが、M235iは似た評価にならないか心配ではある。

BMWの幹部によれば、古いプラットフォームでは、新しいグランクーペを生み出すことはできなかったようだ。直列エンジンとトランスミッションの組み合わせでの制約があったという。

好みの分かれるボディデザイン

多くのクーペスタイルの4ドアサルーンと同様に、2シリーズ・グランクーペもアジアや北米の市場向けにデザインされている。それを裏付けるように、M135iよりシャシーの味付けはわずかに柔らかい。

見た目の評価は主観的な部分が大きいと思う。でも、グランクーペはコンパクトなボディサイズから、堂々とした佇まいを表現することに苦労している様子。

BMW M235i xドライブ・グランクーペ(欧州仕様)
BMW M235i xドライブ・グランクーペ(欧州仕様)

ホイールベースは2670mmで、1シリーズと同値。全長は207mm延び、そのすべてはボディ後半に当てられている。

ボディ中央部の伸びやかさは感じられず、後方で傾斜したルーフラインによって、ホイーベースが短く感じてしまう。長いリアのオーバーハングに合わせたテールライトのカタチは、ひと回り大きなクルマにマッチしそうだ。

外観よりもインテリアは良い。ダッシュボードは1シリーズと共有で、デザインや用いられている素材は、このセグメントでは高級感のある方。スイッチ類の質感や装備の多くも、ライバルより上位に位置するだろう。

8.8インチのタッチモニターが標準装備で、ネットワークへの接続機能にも対応。M235iにはセミ・バケットシートやアルカンターラの内装、ライブ・コクピットと呼ばれるデジタルメーターも標準で付いてくる。

フロントシートやステアリングホイールの調整幅は大きい。リアシートの頭上空間は、傾斜するルーフラインによって狭い。小柄な大人や子供向けと考えた方が良い。もっとも、4ドアクーペを選ぶ人は、後部座席の広さを期待していないかもしれないが。

荷室容量は430L。充分な広さがあるが、テールゲートからの積み下ろしは少々しにくいようだ。

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