【4代目へとモデルチェンジ】新型登場 アウディA3スポーツバックへ試乗

公開 : 2020.04.04 10:20

感触の良いステアリングとサスペンション

アウディのステアリングフィールは従来から評判はイマイチだったが、4代目も一体感で最有力となったわけではない。それでも多くのドライバーは、その質感に不満を抱かないだろう。

試乗したクルマには、オプションの可変レシオとなるプログレッシブ・ステアリングが装備されていた。ステアリングを切り込んでいくほどにダイレクト感が増し、タイトコーナーを抜けていく場面でも、とても操縦しやすい。

アウディA3スポーツバック 35 TDI Sトロニック Sライン(欧州仕様)
アウディA3スポーツバック 35 TDI Sトロニック Sライン(欧州仕様)

ロックトゥロックもクイックになるから、駐車場での切り返しでも有効だ。直進状態からの切り始めが、過敏でない点も良い。とても価値のあるオプションだと思う。標準の電動パワーステアリングは、速度感応式となる。

エントリグレードからドライブセレクトが装備され、ドライブモードによって操舵感を変えることも可能。ただし、実際に違いを感じられたのはダイナミックモードにした時くらい。操舵時の重さが増し、ドライバーへより確かな入力を求めてくる。

車高が10mm低くなるアダプティブ・サスペンションはオプション。ダンパー内に新設計のバルブを備え、伸縮時の流量を調整することが可能。コンフォートとスポーツとの間で、従来以上に大きな違いをもたらしている。

固定式の標準サスペンションと交互に試乗したが、設定の切り替えによる変化は明確だった。興味深いのが、標準のサスペンションでも快適性と姿勢制御とのバランスがとても良かったこと。必ずしもアダプティブ・サスペンションを選ぶ必要はないかもしれない。

再設計が全ユニットに施されたエンジン

トレッドが11mm広がったことで安定性が向上し、コーナリングスピードを上昇させている。一方で乗り心地の洗練度は、選ぶグレードによって異なってくる。

150ps以下のA3を選ぶと、リアサスペンションは費用が抑えられるトーションビーム式になる。それ以上の馬力を持つA3の場合は、スプリングとダンパーが独立した、マルチリンク式へとアップグレードされる。

アウディA3スポーツバック 35 TDI Sトロニック Sライン(欧州仕様)
アウディA3スポーツバック 35 TDI Sトロニック Sライン(欧州仕様)

Sラインには、より引き締められた固定式のサスペンションが標準装備。車高も15mm低くなる。

4代目のA3に搭載されるエンジンは、すべて再設計を受けている。2.0L 4気筒ディーゼルターボを搭載する35 TDIの場合も、ずっと回転音が静かになった。回転上昇も明確にスムーズになったと感じた。

このディーゼルに7速ATのSトロニックを組み合わせれば、理想的な長距離ランナーに仕上がるだろう。A3のすべてのディーゼルには、高速域で窒素酸化物の排出量を抑えられる、二重投与アドブルーが採用された。

英国の場合、しばらく待つと115psのディーゼルターボが追加になる予定。2.0Lエンジンを搭載するが、30 TDIを名乗る。これは会社からの貸与車両として、有力なグレードとなるだろう。

30 TDIは従来までの1.6L TDIエンジンと同じ馬力を確保し、静止状態からの加速もパワフル。速度が乗ってしまえば粘りもあり、6速MTなら少し非力なエンジンでも、懸命な選択となりそうだ。

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