【アウディ・クワトロ40周年】選りすぐりの5台を乗り比べ 歴代最高のクワトロとは? 後編

公開 : 2020.04.19 08:50

もっとも偉大なクワトロ

単なるニッチなモデルとしてスタートしたクワトロだったが、その後アウディ全体を象徴するブランドとしてクワトロGmbHへと進化しており、2016年にはアウディ・スポーツへと名を変えている(個人的には非常に残念に思っている)。

アウディが「クワトロ」という名を単なる四輪駆動テクノロジーに留まらず、自らのブランド哲学を体現する象徴としたことは、1970年代にはさしたる特徴のないメーカーのひとつに過ぎなかった彼らが、いまの強大なブランドへと成長する大きな助けとなった。

R8は初期型となるV8エンジンにマニュアルシフトを組み合わせたモデルがベストだ。
R8は初期型となるV8エンジンにマニュアルシフトを組み合わせたモデルがベストだ。

確かにクワトロがアウディを救ったわけではないが、ブランドを築き上げる力となったことは間違いないだろう。

これほど登場した時代背景やパフォーマンス、さらにはコンセプトの異なる5台に順位を付けるなど間違っているかも知れない。

だが、敢えてここでは素晴らしいモデルと、真に偉大な1台との違いをご紹介させて頂こう。

初代クワトロの果たした役割は大きく、確かに魅力溢れるモデルだが、いまやそのパフォーマンスは物足りないと言わざるを得ない。

RS2アバントは期待するほどバランスに優れているわけではないが、それでも素晴らしいモデルであり、見事なスタイリングとともに圧倒的な希少性も備えている。

そして、まったく別の理由からTTとRS6アバントは想像以上に優れたモデルだと感じさせてくれた。

だが、初期のマニュアルギアボックスを与えられたR8は別格の存在だ。

単に偉大なアウディというだけでなく、当時もいまもこうしたモデルとしてはもっとも見事な1台だと言える。

各車のスペック

アウディ・クワトロ2.2 20vターボ

価格:3万2995ポンド(1990年当時)
エンジン:2226cc直列5気筒ターボ
パワー:220ps/5990rpm
トルク:31.5kg-m/1950rpm
ギアボックス:5速マニュアル
乾燥重量:1380kg
0-100km/h加速:6.5秒
最高速:227km/h
燃費性能:na
CO2排出量:na

アウディRS2アバント

価格:4万5760ポンド(1994年当時)
エンジン:2226cc直列5気筒ターボ
パワー:315ps/6500rpm
トルク:41.8kg-m/3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1595kg
0-100km/h加速:5.4秒
最高速:262km/h
燃費性能:na
CO2排出量:na

アウディTT 1.8T 225クワトロ

ホットなアウディは時に真面目腐ったモデルだと言われるが、この3台にそれは当て嵌まらない。
ホットなアウディは時に真面目腐ったモデルだと言われるが、この3台にそれは当て嵌まらない。

価格:2万9470ポンド(1999年当時)
エンジン:1781cc直列4気筒ターボ
パワー:225ps/5900rpm
トルク:28.6kg-m/2200rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1465kg
0-100km/h加速:6.6秒
最高速:243km/h
燃費性能:10.8km/L(NEDC基準)
CO2排出量:223g/km(NEDC基準)

アウディR8 4.2 FSIクワトロ

価格:7万6532ポンド(2007年当時)
エンジン:4163cc自然吸気V8
パワー:420ps/7800rpm
トルク:43.8kg-m/4500rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1560kg
0-100km/h加速:4.6秒
最高速:301km/h
燃費性能:6.8km/L(NEDC基準)
CO2排出量:349g/km((NEDC基準)

アウディRS6アバント・クワトロ・ティプトロニック

価格:9万2750ポンド(1251万円)
エンジン:3996cc V8ツインターボ
パワー:599ps/6000-6250rpm
トルク:81.6kg-m/2050-4500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
乾燥重量:2075kg
0-100km/h加速:3.6秒
最高速:304km/h(リミッター解除)
燃費性能:8.0km/L(WLTP基準)
CO2排出量:283g/km(WLTP基準)

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