【世界の自動車オークション】新型コロナ・ショックで値下がり 2020年は、天国か地獄か

公開 : 2020.04.18 05:50  更新 : 2021.10.11 09:33

今後の展望は?

これまでのバブル崩壊やリーマン・ショックは、経済面のみの影響だった。今回の新型コロナウイルスの脅威は、ヒトとモノの動きを止めてしまったことが大きな違いだ。

あらゆる生産活動にブレーキがかかり、終息の見通しも立っていないだけに大きな影響は避けられない。

高額車も値下がりしている。先頃まで120~150万ドルだったマクラーレン・セナは、3分の2となる84万7000ドル(9148万円)で終えてしまった。(RMサザビーズ・パームビーチ・セール)
高額車も値下がりしている。先頃まで120~150万ドルだったマクラーレン・セナは、3分の2となる84万7000ドル(9148万円)で終えてしまった。(RMサザビーズ・パームビーチ・セール)

生活に不要不急なコレクターズカーの需要は一時的に消滅しよう。

前述のパームビーチ・セールの結果は序章に過ぎず、これからさらに破壊力をました大波が来ることは明らかだ。資金繰りに窮したオーナーやショップが、投げ売りを始めてもおかしくない状況になるだろう。

30年以上にわたりオークションの動向を追いかけてきたが、個人的な予想では、これまでにない大暴落が始まり21世紀初頭のレベル以下まで下がると考えている。

ただし、本当に価値のある貴重なクルマの下落幅は少ないはずだ。

新型コロナウイルスの問題が収束した後も経済の先が見通せない状況が続くだけに、しばらくは様子を見るのが正解となろう。

しかし、どのような状況であっても、コレクションの極意である「じっくり待って、良いものが出ればスパっと買う」という鉄則は変わらない。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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