【すべてがハイブリッドに】ボルボXC90へ試乗 2.0Lガソリン+マイルドHV

公開 : 2020.05.22 10:20

2.0Lのガソリンターボエンジンに、電圧48Vによるスターター・ジェネレーターとバッテリーを搭載したボルボXC90。フェイスリフトを受けた大型SUVの、ラインナップの入り口を構成します。英国の道で評価しました。

もくじ

電動化技術の採用を加速するボルボ
マイルド・ハイブリッドでも免罪符は得られず
優しいスカンジナビアン・デザインの車内
マイルドHVを選ぶならディーゼル版
ボルボXC90 B5 モーメンタム・プロ(英国仕様)のスペック

電動化技術の採用を加速するボルボ

text:Tom Morgan(トム・モーガン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ボルボによる電動化技術の採用は、他ブランドを先行している。もはや、ハイブリッドなしのXC90をディーラーから新車で購入することは、不可能となった。

7シーターを備えるボルボのフラグシップSUV、XC90。純EV版の登場はまだ先かもしれないが、プラグイン・ハイブリッドはT8ツインエンジンとして以前から提供されている。今回、エントリーグレードのXC90にも、ハイブリッドが採用されることになった。

ボルボXC90 B5 モーメンタム・プロ(英国仕様)
ボルボXC90 B5 モーメンタム・プロ(英国仕様)

電圧48Vによるスターター・ジェネレーターと小さなバッテリーを、大きなボディに搭載。2.0Lの4気筒エンジンを加速時にはアシストし、減速時にはエネルギーの回収を行う。

ボルボによれば、従来の内燃エンジンのみのXC90より、二酸化炭素の排出量は削減しているという。実世界での燃費も向上している。

今回試乗するのは、XC90 B5の中でもガソリンを燃料とする方。4気筒ガソリン・ターボエンジンを搭載し、四輪駆動と8速ATの組み合わせのみが用意される。同じB5には、ディーゼルターボ版のB5もラインナップされる。こちらも2.0Lの4気筒で、車両価格はやや高い。

2020年モデルとして穏やかなフェイスリフトを受けているが、ガソリンエンジン版とディーゼルエンジン版と、見た目でわかる違いはない。パフォーマンスの面でも、燃料の違い以上の明確な差はないようだ。

マイルド・ハイブリッドでも免罪符は得られず

ボルボXC90 B5が0-100km/h加速に要する時間は、ガソリンエンジン版の方が0.1秒だけ遅い。最高速度もディーゼル版よりわずかに遅い、215km/hとなる。

運転してみると、マイルド・ハイブリッドが動作する実感を感じる手がかりは、ほとんどない。エネルギーの回生中に表示される、メーターパネルのアイコンが、唯一のヒント。

ボルボXC90 B5 モーメンタム・プロ(英国仕様)
ボルボXC90 B5 モーメンタム・プロ(英国仕様)

しかも減速時のエネルギー回生はかなり控えめ。純EVに見られるような、しっかりした減速感もなかった。

ボディが大きく、車重がかさむSUVのXC90。マイルド・ハイブリッドを採用したとしても、免罪符が得られたわけではない。

直線加速のレスポンスは充分に活発だが、一回り小さいXC60と比べれば、明らかにガソリンエンジンは頑張っている様子。大きな負荷が掛かると、エンジンからはしっかりノイズが響いてくる。そのぶん、燃費も印象的な数字とはいえない。

今回の試乗では、高速道路を穏やかにクルージングしても、10.5km/Lを超える場面はほぼなかった。ディーゼルエンジン版のB5なら、13.5km/L前後の燃費が得られている。残念ながら、どちらがコストパフォーマンスで優れているかは、明らかといえるだろう。

それ以外のガソリン版B5は、プレミアムなXC90の雰囲気に良くマッチしている。エンジンはとてもスムーズに始動し、低速域でも存在が気になることはない。信号待ちしている際の、アイドリングの停止と再始動も、とても繊細な仕草で行われる。

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