【弱点はシャシーのサビと電装系】TVRグリフィス 2代目 英国版中古車ガイド

公開 : 2020.05.26 10:20  更新 : 2021.07.12 18:46

3代目の復活が予定されていますが、ダンディズム溢れる2代目グリフィスもTVRへ活気を与えた1台でした。英国では堅調な人気を誇るスポーツカーです。ただし、アウトリガーのサビや電装系など、注意点も少なくありません。

手に入れるなら3代目発表の前

text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
新しい3代目グリフィスが復活する日は、いつになるだろう。まずは工場の準備から、といった段階のようだ。一進一退する3代目ほどの話題ではないものの、先駆者となる2代目への注目は、英国では従来から高いままだ。

2代目グリフィスの値段は、3代目とのつながりに価値を見出した人々によって急速に高まった。だが、3代目のリリースが伸びている今、少し落ち着きを取り戻している。冬の時期は、コンバーチブルの価格も下がりやすい。

 TVRグリフィス(2代目・英国仕様)
TVRグリフィス(2代目・英国仕様)

新しいグリフィスがモタモタしている今こそ、2代目グリフィスを賢明な価格で入手できる最後のチャンスかもしれない。3代目グリフィスは、9万ポンド(1197万円)の価格が見込まれている。

2代目なら、英国では1万5000ポンド(199万円)も支払えば、状態の悪くないグリフィスを見つけることができる。レストアされたクルマなら、2万ポンド(266万円)くらいから。

3万5000ポンド(465万円)出せば、ベストといえる状態のグリフィス・オーナーになれる。5万ポンド(665万円)の値段が付いた、低走行距離で最終ラインモデルのSEも見つけた。

前のオーナーによって愛情を注がれ、しっかり維持されてきたグリフィスなら、手に入れた時より価値が下がることはないだろう。主要な部品も、新品に交換してあるはず。

グリフィスのボンネットの下には、初めは243psを発生するローバー製の4.0L V8エンジンが納まっていた。トランスミッションはローバー製のLT77型5速MTで、GKN製のLSDを介して後輪を駆動する。

整備は手間でも、得られる喜びは大きい

電気系統はレンジローバー用ルーカス製のものを、そっくり移植。助手席側バルクヘッドにバッテリーが収まり、やたらと沢山のハーネスが付いている理由でもある。

ECUにヒューズボックス、ヒーターパイプも同じ場所に押し込まれている。弱気な人が見たら、尻込みしてしまいそうだ。

 TVRグリフィス(2代目・英国仕様)
TVRグリフィス(2代目・英国仕様)

FRP製のボディは、アウトリガーの付いたスペースフレーム・シャシーにマウント。タイヤが跳ね上げた泥や小石がボディやシャシーにこびりつき、やがて腐食を促す。見つけるのは難しい。ボディを取り外さずにアウトリガーを交換する場合、英国では2000ポンド(26万円)は必要になる。

1992年に排気量4.3Lへスイッチし、最高出力は284psへと増強。その中の25台は、ビッグバルブ・シリンダーヘッドが組まれている。ガソリンエンジンの新車に触媒コンバーターを義務付けた法規の導入前で、トルクもサウンドも素晴らしい。

1993年にしばらく生産がストップするが、5.0LのV8エンジンを搭載して復活する。最高出力は344psへ引き上げられた。このユニットはモデル終了まで採用され続けている。2002年、特別グレードのSEによって、2代目グリフィスは幕を閉じた

多くのグリフィスは、フロントが15インチ、リアが16インチのホイールを履く。一部は前後ともに16インチの場合もある。

5.0Lの場合、トランスミッションはボルグワーナー製のT5。リバースの位置がボルグワーナー製は右の後ろ、ローバー製は左の前だから、見分けがつく。

エンジンは基本的に丈夫で信頼性も高い。手を焼くのは、電気系統とダンパーやブッシュのヘタリ、シャシーの腐食。良好な状態を保つには、週末のかなりの時間を費やすことになるだろう。しかし、得られる喜びもまた、かなりのものだ。

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