【V8エンジンの大きな猫】ジャガーXKとXKR 英国版中古車ガイド 過給機に注意

公開 : 2020.06.06 10:20  更新 : 2021.07.12 18:46

V8エンジンを搭載したジャガーXKクーペとコンバーチブル。英国では6000ポンド(79万円)程度から購入できる、魅力的なグランドツアラーです。艷やかな大きな猫との暮らしは大変なのか、英国編集部が解説します。

信頼性の高いV8エンジンにアルミ製ボディ

text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
軽量なアルミニウム製ボディに、接着剤とリベットで結合されたアルミニウム製モノコック。長いボンネットの中には、信頼性の高い4.2Lか5.0LのV8エンジンが収まっている。XKRならスーパーチャージャー付き。とても聞こえが良い。

この内容で英国では6000ポンド(79万円)程度から手に入る。かなりのお買い得といえるだろう。

ジャガーXK(2007年−2014年・英国仕様)
ジャガーXK(2007年−2014年・英国仕様)

ちなみに先代モデルとして、1996年から2006年にはXK8というモデルが存在していた。今回取り上げるのは、2007年から2014年にかけて作られていた、XKの方だ。

代替わりしても、2007年からフェイスリフトを受ける2009年までは、先代のXK8と同じエンジンを搭載していた。4.2Lの自然吸気V8エンジンで、最高出力は304psだ。

2009年以降、XKはダイレクトインジェクションの新しい自然吸気5.0L V8エンジンへスイッチ。385psを獲得している。

並行してスーパーチャージャーを積んだXKRも存在。4.2L版で426ps、5.0L版で510psを叩き出す。2008年に200台限定で発表された4.2 XKR-Sが登場。シャシーへ手が加えられ、優れたハンドリグを得ている。続いて5.0L版にもXKR-Sが発表され、549psにまで最高出力は高められた。

ボディにはクーペとコンバーチブルが存在する。英国で探すと8500ポンド(112万円)で、走行距離15万7700kmの2006年式4.2Lコンバーチブルが見つかった。

同等の価格で、34万6000km走った2009年式5.0コンバーチブルという例もあった。かなり勇気はいるが、XKは比較的順調に走行距離を重ねてくれることが伺える。

めったにないお買い得モデル

ジャガーXKは、イアン・カラムがデザインを手掛けた。ジャガーEタイプに発想を得たというが、フロントグリルや絞られていくテール部分に、その影響を感じ取れる。

アルミニウム製のモノコックはXK8よりはるかに剛性が高く、乗り心地とハンドリグを改善した。2+2の車内は広々としてモダン。荷室は、ゴルフクラブが収まるくらいの大きさしかない。

ジャガーXK(2007年−2014年・英国仕様)
ジャガーXK(2007年−2014年・英国仕様)

2009年のフェイスリフトで5.0Lエンジンを獲得。4.2Lより滑らかで回転上昇も鋭い。排気音には刺激的な破裂音も混ざる。新設計のデフに、ビルシュタイン社による可変ダンパーも採用している。

見た目での変更は、ブレーキ冷却用ダクトや新しいライトとミラー程度。インテリアではセンターコンソールが新しくなり、ロータリースイッチ・タイプのギアセレクターを搭載。XFに続いての採用となった。

モデル末期に向け限定モデルも登場。2010年には530psのXKR 75が、2012年にはレース仕様の内装を備え、549psを獲得したXKR-S GTが登場。XKR-Sと同様の強化ボディとサスペンションを搭載する。

黒や淡いブルーのXKは、古びず素晴らしい雰囲気を放つ。いまのFタイプのような存在感もある。

2008年式の4.2Lクーペで、整備記録が揃ったクルマでも1万ポンド(132万円)ほどあれば充分手に入る。パフォーマンスを考えれば、めったにないお値打ちモデルといえるだろう。

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