【スポーツの控えめな主張】スズキ・スイフト・スポーツ(4) 長期テスト

公開 : 2020.06.28 11:50

歴代で初めて、ターボエンジンを搭載した新型スズキ・スイフト・スポーツ。クラス・ベストのライバルと競える、運転が楽しくシンプルなホットハッチという個性のままなのか、長期テストで英国編集部が確認します。

もくじ

積算7769km 英国のホットハッチ・ドライバー
標準のスイフトとスイフト・スポーツとの違い
高いシートポジションと小さな燃料タンク
テストデータ

積算7769km 英国のホットハッチ・ドライバー

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ベントレー・コンチネンタルGTのオーナーは、用心深かった。ロッキンガム・モーター・スピードウェイの駐車場。誘導担当者はもっと詰めて欲しかったようだが、オーナーは長期ストのスズキ・スイフト・スポーツと、大きな間隔を開けて駐車した。

念のための保険、といつもりなのだろう。話を聞くと、オーナーは3日前にベントレーが納車されたばかり。慎重になるのは不思議ではない。

スズキ・スイフト・スポーツ(英国仕様)
スズキ・スイフト・スポーツ(英国仕様)

筆者は、スイフト・スポーツのドアをコンチネンタルGTの真新しいボディへ当てる意思がないことを、開け閉めの振る舞いで示した。黒いドアに残る、チャンピオンシップ・イエローの当て傷を恐れたオーナーの気持ちは、率直に理解できる。

愛車を大切にしたい気持ちは、誰でも変わらないだろう。1つ思い浮かんだのが、英国のホットハッチ・ドライバーのステレオタイプ的なイメージを筆者にも当てはめられたのでは、という疑問。やんちゃなドライバーが少なくない。

抑揚の効いたボディに、ツインエグゾースト。鮮やかなボディカラーを見れば、英国ツーリングカー選手権のファンなら、このスイフトがスポーツだということに気づくはず。穏やかな、普通のスイフトではないと。

前回のグッドウッド・フェスティバルの駐車場での反応は、ベントレーのオーナーのものとは対照的だった。隣に停めたクルマのオーナーは、思わず目の行く鮮やかな黄色のスイフト・スポーツをしばらく眺めていた。

標準のスイフトとスイフト・スポーツとの違い

クルマから筆者が降りようとした時、このクルマについて詳しく訪ねてきたほど。よく話を聞くと、彼の家族が先代のスイフトを所有しており、経済的で優れたシティカーになると考えていただけだった。

彼はまた、この色がかなり大胆な選択だと感じたようだ。スイフトのスポーツとは、どんなクルマなのかも説明してみた。その後、ディーラーに向かったかどうかはわからない。

スズキ・スイフト・スポーツ(英国仕様)
スズキ・スイフト・スポーツ(英国仕様)

スズキ・スイフト・スポーツの魅力の1つは、知っている人の間で、優れたホットハッチだということ。羊の皮をかぶった狼的な、控えめな主張という特徴が、新型にも受け継がれている。

もちろん、標準のスイフトとスイフト・スポーツを並べれば、見た目の違いは沢山ある。それでも、ホンダ・シビックとシビック・タイプRの見た目ほど、顕著な差はない。

スイフト・スポーツに乗るほど、標準のスイフトとの違いが良く見えてくる。以前、1週間ほど乗っていたことがあるのだ。

車内の見た目は、ほとんど差はない。インテリアの装飾トリムや、細かなデザインが違う程度。しかし走り出してみれば、その違いは明らか。驚くほどに違う。

1週間乗っていた英国仕様の素のスイフトは、1.0Lターボエンジンにマイルド・ハイブリッドが組み合わされた、SZ5というグレード。静かで倹約なユニットだが、高速道路や流れの速い一般道でも、不足ないパフォーマンスを発揮してくれた。

普通のスイフトでも、コンパクトカーに求める軽快なステアリグと、滑らかと呼べる乗り心地を備えている。グッドウッドの駐車場で会った彼が考えたように、優れたシティカーだ。チャンピオンシップ・イエローはスポーツ以外では選べないけれど。

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