推したくなる魅力沢山 新型 スズキ・スイフトへ英国試乗 価格の割に楽しい走り

公開 : 2025.04.12 19:05

該当クラスで英編集部が推すスイフト ベーシックな5速MTなら車重は949kg 広々車内に馴染みある操作系の配置 殆どの場面で不足ない加速 機敏で意欲的な回頭性 魅力が沢山詰まった1台

該当クラスで英国編集部オススメの1台

利益率の高いモデルへ注力される一方、スズキスイフトのようなコンパクトカーは数を減らしつつある。フォードフィエスタ日産マイクラマーチ)は、既に市場から姿を消してしまった。

だが、フォルクスワーゲン・ポロルノー・クリオ(ルーテシア)、トヨタヤリスなど、比較対象はまだ多い。そんな中で新しいスイフトは、英国編集部オススメの1台だ。

スズキ・スイフト 1.2ウルトラ(英国仕様)
スズキ・スイフト 1.2ウルトラ(英国仕様)

新世代も、従来どおり装備は充実。英国仕様のエントリーグレード、モーションでもシートヒーターにキーレスエントリー、バックカメラ、16インチ・アルミホイール、ワイヤレスでスマートフォンと連携できる9.0インチ・タッチモニターが付いてくる。

ウルトラ・グレードは、後席側へ送風口が追加されるオートエアコンや、電動ミラーなどを獲得。英国価格は1万9199ポンド(約374万円)からと、お財布にも優しい。保証は3年が標準だが、正規ディーラーで整備を続ければ、7年か16万kmに延長できる。

エンジンは、Z12Eユニットの1種類のみ。マイルド・ハイブリッドの3気筒1.2L自然吸気ガソリンで、最高出力82ps、最大トルク11.4kg-m。5速MTを組むと、0-100km/h加速を12.5秒でこなし、CVTでは11.9秒へ短縮される。

基本は前輪駆動だが、オールグリップと呼ばれる四輪駆動も選択可能。これはスズキ・イグニスと同じシステムで、最低地上高が25mm高くなる。

ベーシックな5速MTなら車重は949kg

現行は4代目で、登場は2023年。先代以前から、英国ではスズキの定番モデルとなっている。プラットフォームは、3代目のハートテクト・アーキテクチャの進化版。車重は、最もベーシックな5速MTなら949kgに留まる。

サスペンションは、前がマクファーソンストラット式で、後ろがトーションビーム式。ブレーキは前がベンチレーテッドディスクで、後ろがドラムと、コンベンショナルな構成だ。

スズキ・スイフト 1.2ウルトラ(英国仕様)
スズキ・スイフト 1.2ウルトラ(英国仕様)

スタイリングは、ウエストラインが強調されたものへ一新したが、ボディサイズはほぼ変わらず。全長3860mm、全幅1695mm、全高1500mmで、都心部での取り回しは間違いなくしやすい。

スズキの英国担当者は、競合モデルよりひと回り小さい傾向があることを認めている。また、小・少・軽・短・美という、スズキのクルマ作りの哲学を、感じられると思う。

上質さを求めて、防音・制振用の接着剤や、ボディシェルを補強する構造用接着剤を積極的に塗布。フロントピラーにはバッフルプレートが増設され、ダッシュボードのダンピングシートとフロアカーペットは肉厚化。液体封入エンジンマウントも採用する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    役職:ソーシャルメディア・エグゼクティブ
    AUTOCARのSNS担当として、X、YouTubeショート、インスタグラムなどの運営を任されている。以前は新聞紙や雑誌に寄稿し、クルマへの熱い思いを書き綴っていた。現在も新車レビューの執筆を行っている。得意分野はEVや中古車のほか、『E』で始まるBMWなど。これまで運転した中で最高のクルマは、フォルクスワーゲンUp! GTI。 『鼻ぺちゃ』で間抜けなクルマだったが、家族の愛犬もそうだった。愛さずにはいられないだろう。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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