【意識せずに乗れる電気自動車】ヴォグゾール(オペル)・コルサ-eへ試乗

公開 : 2020.07.09 10:20

ヴォグゾール(オペル)・ブランドとしては初リリースとなる純EVのコルサ-e。英国人にとって、コルサは免許をとって初めて乗るような、親しみのあるクルマ。純EVとなっても、その近づきやすさに変わりはないようです。

プジョー208と基本的な構成は共有

text:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ヴォグゾールオペル)から新しくリリースされた、純EVのコルサ-e。目下、英国では一番売れている電気自動車となっている。

挑戦的な価格を下げ、同時期にリリースされた純EVのライバルたちと比べても遜色ない航続距離を確保。見た目も良く、ショールームでの誘目性も充分にある。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e 7.4kW エリート・ナビ(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e 7.4kW エリート・ナビ(英国仕様)

免許をとって初めて乗るクルマ、というイメージを英国で長年築いてきたヴォグゾール・コルサ。多くの英国人にとって、初めてのEVがコルサ-eということにもなりそうだ。

今年の始め、まだ国の間の行き来が自由だった頃、ドイツでコルサ-eへ試乗した。とても大きな感銘を受けた。それから数ヶ月。予定より少し遅れたが、ガソリンから電気へ、給油ノズルから充電プラグへ、エネルギー源を切り替える準備は、英国でも整ったようだ。

この6代目となるコルサは、何度かAUTOCARでも取り上げている。オペル・ヴォグゾールの経営母体がGMからグループPSAへ切り替わり、完成半ばだったクルマを短時間で設計し直した、最新型だ。

プジョー208の兄弟モデル的な位置づけとして、記録的なスピードで量産までこぎつけた。新しいプジョー208と基本的な構成は共有し、ガソリンとディーゼルエンジンのほかに、純EV版もラインナップする。

親しみのある見慣れたコルサ

コルサ-eの特徴となるのが、グループPSAの他のコンパクトモデルと同様、独立したモデルではなく、エンジンモデルと並列的な選択肢として純EVが選べること。ユーザーが、より自然に電気自動車へ移行できる方法だと考えているようだ。

純EVだからといって、コルサ-eに怯える必要はない。基本的には親しみのあるコルサ。先代よりかなりスマートなルックスになっているが、ずっと前から見慣れたクルマという印象も受ける。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e 7.4kW エリート・ナビ(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・コルサ-e 7.4kW エリート・ナビ(英国仕様)

むしろ筆者としては、プジョー208のように明快なデザインを得ていないことが、少し残念。最新の208は、現時点で最高のルックスとプロポーションを備えた、コンパクト・ハッチバックだと思う。

それはインテリアも同様。プジョーが同じアーキテクチャを使用し、どんなインテリアを生み出したのかを知らなくても、平凡な印象を受けてしまう。

ボディには、控えめに「e」というエンブレムがあしらわれ、アルミホイールもコルサ-e専用。エンジンを搭載したコルサと識別する小さなポイントになっている。しかし、前後ともにトレッドは広げられ、見えない部分での違いは大きい。

ホイールベースを若干延長し、フロント・サスペンションは引き締められた。リア・サスペンションのトーションビームは後方へ移動され、50kWhの重たいリチウムイオンバッテリーを搭載する空間と足腰を得ている。

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