【英国オフローダーの象徴】ランドローバー・ディフェンダー 英国版クラシック・ガイド

公開 : 2020.08.15 07:20  更新 : 2022.08.08 07:37

ディフェンダー中古車 購入時の注意点

初代のランドローバーが搭載する、2.3Lと2.5Lエンジンはとても堅牢で信頼性も高い。40万kmほどリビルトなしで大丈夫、ということも珍しくない。

一方でディーゼルターボやTdiの場合、メンテナンス不足で寿命を大きく縮めてしまう。探す場合は、定期的な整備を受けてきたかどうか、確認は不可欠。排気ガスの白煙や、ガラガラと音がうるさいエンジンには注意したい。

ランドローバー・ディフェンダー(1983年〜2016年/英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー(1983年〜2016年/英国仕様)

Tdiエンジンの場合、タイミングベルトの交換は一般的な使用環境で9万6000kmか5年毎程度。条件が悪ければ、2年半か4万8000kmで交換したい。交換履歴が確かでないなら、替えておいた方が良い。ウオーターポンプやラジエターからのクーラント漏れにも注意。

フォード製のデュラトルク・エンジンは、よく回るし耐久性も高い。一方で16万km程度で、新しいインジェクターと燃料ポンプへ交換が必要となることも多い。高性能なダイアグノーシスを利用して、過去のエラーコードを確かめると良いだろう。

トランスミッションも、過酷な環境で用いなければ基本的に堅牢。水辺も走るようなオフロード好きなら、水の侵入を前提に、トランスミッションとデフのフルードは定期的に交換したい。サスペンションも同様。

軍用車両を管理する人からは、スイベル・ハウジングの不具合など、一部の品質不良が報告されている。交換するなら、可能な限り純正部品を選びたい。OEMの製造も終了しつつあり、品質は下がり気味だ。

不具合を起こしやすいポイント

ボディ

バルクヘッド周りの錆は、悪化すると修理に費用もかかる。フロアの方が修理は簡単。ボディマウントの状態も確かめたい。アルミニウム製のボディパネルは凹む。ドアは2004年から、ボンネットは2007年から、スチール製になっている。

エンジン

2.3Lエンジンが積まれていたのは、初期の90か110のみだが、以降のエンジンはその派生ユニット。シンプルで堅牢で、載せ替えも難しくない。

ランドローバー・ディフェンダー(1983年〜2016年/英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー(1983年〜2016年/英国仕様)

V8エンジンはアルミ製ということもあって、放置されがち。ディーゼルエンジンはタイミングベルト交換が必要。フォード製の後期ユニットは、電子制御システムやポンプの不具合に注意したい。

ランドローバー製ユニットの方が、フォード製より頑丈。回転の乱れ、オイルやクーラントの漏れ、排気ガスの濃い白煙がないかを確かめる。V8エンジンは、カムシャフトの摩耗にも注意。

トランスミッションとデフ

堅牢とはいえ、荒い運転やメンテナンスを怠れば不具合は起きる。ローレシオが機能するか確かめる。デフロックのリンケージは、長期間使わないと固着する。フルード漏れも確認する。リアアクスルのハブとスプラインが摩耗すると、ハーフシャフトの破損を招く。

サスペンション

ハブのスイベルボールにダメージや腐食がないか確認する。社外品は不具合も報告されており、純正部品の方が良い。

シャシー

海辺で走行した経歴などがあると、錆びやすくなる。軍用仕様のクルマは強化されているが、極端なオフロード走行はダメージを与えてしまう。クロスメンバーや、サスペンションとステアリングのマウント、アウトリガーなども状態を確かめる。

インテリア

内装は新しいほど豪華さを増していくが、耐久性は下がる。状態の良いものは稀だが、再トリミング自体はさほど高額にはならない。

関連テーマ

おすすめ記事

 

ランドローバー ディフェンダーの人気画像