ケータハム・セブン160

■どんなクルマ?

パワーとスピードを上げることに夢中ではなく、軽量化とグリップを減らすメーカーのあり方が、果たして正しいかどうかを判断すべきなのだろう。というのも、そのアイディアを具現化したクルマがある。それがケータハム・セブン160だ。

そのスペックについては、すでにわれわれの知るところである。エンジンはスズキ製のモーターサイクルではなくクルマ用の660ccが搭載されている。そのエンジンは、スズキの軽自動車に搭載されているもので、主にデリバリー・トラック用として使われている。RWDレイアウトで、5速ギアボックスと迎合されることがほとんどである。そのパワー・ユニットは、標準の64bhpから80bhpにまでチューンされセブンのシャシーに搭載されることになる。

セブン160は、後輪にドラム・ブレーキを配し、ホイールも4.5Jの14インチと細いものが組み合わせられている。決してグリップの高いタイヤではなく、155/65-14のエイボンZT5が装備されている。そのボディ・ウエイトは僅かに490kgしなかい。

価格は、キットの状態で£14,995(236万円)、完成車でも£17,995(283万円)となる。その装備は、クラシック・セブンを思わせるほどシンプルで、スピードメーターとレブ・カウンターが目の前のインストルメントに並ぶ。また、ボディはアルミニウム製で、ノーズコーンと4枚のフェンダーというプラスティック・パーツは4色からしか選ぶことができない。

しかし、その490kgという軽い車体のおかげで、最高速度は160km/hに過ぎないが、0-96km/h加速は6.5秒という数値を持つ。

■どんな感じ?

あなたがセブンをよく知っているのなら、即座に思い浮かべるのは、どのぐらい速いかということだろう。しかし、今回それは無関係なことかもしれない。すべてがソフト・タッチなのだ。

クラッチは軽く、ギアシフトも、他のケータハムに比べれば精度が不足しているものの短くポジティブに決まる。また、ステアリングも通常の速度域では非常に軽い。また、乗り心地も良好だ。その軽い車重のため、路面の凹凸を難なくクリアしてしまうのだ。

小回りもよく効き、フロントの視界は世界トップクラスだ。細いフロント・タイヤがサスペンションと共に上下するのが直接眺められる光景はクラシックカーを思わせるもの。

エンジンは、普通の新車と同様にマナーが良く、ミッドレンジでのパワー・デリバリーは素晴らしいものがある。特に2000rpmを超え、ターボが効きだしてから5000rpmまでのレスポンスは素晴らしい。また、5000rpmを越えてからの反応も素晴らしいものがあるが、トルクは減少傾向にある。

従って、2000rpmから5000rpmの間に回転を保っていれば、活発なレスポンスが味わえる。ちなみにケータハムのトップ・モデルである620Rは1速で96km/hまでカバーできるが、160は7750rpmのレブ・リミットまでまわしても1速でカバーできるのは64km/hだ。しかし、それが素晴らしい結果を生み出すこととなる。

リラックスできる低い速度域でも、160は充分なスポーツカーとしてのテイストが味わえる。特に、ワインディング・ロードでは軽快なスタアリング・フィールを楽しむことができる。また、160は、他のすべてのセブンよりも機敏であると感じることだろう。ドライ路面であれば、どんなギアであろうとも安全にフルスロットルを与えることができる。リミテッド・スリップ・デフは装備されていないが、それでもタイヤのスキール音と共に、軽快な走行が味わえるのだ。予想するよりも低いスピードで、われわれが大好きなパワースライドも楽しめるというもの。

もちろん、ハイグリップなタイヤを履けば、パワースライドのない走行も味わえるのだろうが、80bhpのエンジンに標準装着のエイボンというバランスは非常に良いといえる。

■「買い」か?

サーキットでの速さを求めないのであれば、このセブン160は非常に面白いクルマだ。少しばかり古典的なレーサーのように、テールスライドを味わいながらワインディングを攻めるのにはもってこいのスポーツカーと言える。また、地球上で最も機敏なスポーツカーと言っても過言ではない。

(マット・プライヤー)

ケータハム・セブン160

価格 £17,995(283万円)
最高速度 160km/h
0-96km/h加速 6.5秒
燃費 12.3km/ℓ
CO2排出量 180g/km
乾燥重量 490kg
エンジン 直列3気筒660cc
最高出力 80bhp/7000rpm
最大トルク 10.9kg-m/3400rpm
ギアボックス 5速マニュアル

 
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