【英国のクラシック博物館】懐かしのトヨタ車 初代RAV4、レクサスLFAも

公開 : 2020.09.22 16:50  更新 : 2021.01.28 18:33

トヨタの歴代モデルを保管

試乗した車両番号「N897 VHN」のRAV4は、オドメーターが20万kmを超えていたが、丁寧にレストアされており、保存するためにどれだけの時間と労力が費やされてきたかは明らかだ。

作業チームはルーフを修復するために、もう1台ドナーとして購入したという。1960年代の貴重なランボルギーニにふさわしい、本格的なレストアだ。

レクサスLFA
レクサスLFA

ここ、英サセックス州にあるトヨタのワークショップ兼博物館にあるのはRAV4だけではなく、もっと注目すべきクルマも展示されている。

何の変哲もない倉庫の奥には、トヨタとレクサスで重要な立ち位置にあり、高い評価を受けている人気モデルが並んでいる。イベントや雑誌の特集で利用できるように丁寧に保管されているのだ。

2020年モデルのカローラC-HRカムリの列の後ろには、初代MR2や伝説的なAE86など、トヨタファン垂涎のクラシックカーがずらりと並ぶ。

そして、他のクルマから少し離れたところには、レクサスの超高級ハイパーカーLFAが1台置かれている。かつてヨーロッパでLFAを扱うために訓練を受けた、5人の技術者のうちの1人がここで働いているのだ。

11年前に発売されたLFAは、歴代のスーパーカーの中で最もスパイシーなモデルの1つとして確固たる地位を確立している。4.8L V型10気筒エンジンは、アナログタコメーターでは追いつかないほどの速さで9400rpmまで回転する。ボディにはカーボン複合材を使用しており、開発には10年近くの歳月を要した。

しかし、先述の技術者マイク・クロフトは、LFAの評判をあまり気にしていない。

「パーツが違うんですよ。プロペラシャフトではなくトルクチューブを採用しているので、エンジンとクラッチが前に、トランスミッションが後ろにあります。しかし、ちょっと整備が必要なだけで、サーキットでも本当によく持ちこたえてくれます」

わたし達はLFAを公道に引っ張り出すことはできないが、スロットルを素早く弾いただけで、LFAがスーパーカーの中でもかなり特別なものであることを十分に証明できる。

コロナ、プリウスヴィッツ

クロフトによると、コレクションの中で最も古いクルマである1966年製のコロナも同様に問題はないという。現代的なステレオを追加したこと以外は。コロナはヤリスGRMNと、欧州専売車のアイゴのカスタムカーの間に置かれている。

このアイゴのカスタムカーは、標準モデルとは一線を画す仕様となっている。

トヨタ・コロナ(手前)、アイゴ(奥)
トヨタ・コロナ(手前)、アイゴ(奥)

リアシートを取り外し、200psのターボエンジンを搭載し、リアウイングをボルトで固定し、リアにリミテッドスリップディファレンシャルを装着するとどうなるか。これは、業界の中でも「まとも」と評される企業の、稀に見る狂気の表れに他ならない。この作品は歴史に名を残すに値する。

整備工場の反対側では、ラリーにも対応した初代プリウスがリフレッシュされている。

2002年に当時のパワートレインの信頼性を実証するために作られたこのエコ戦士は、同年にスウェーデンからヨルダンまで続く「ミッドナイトサン・トゥ・レッドシー」の過酷なラリーに参加。電動化された内臓の重さにもかかわらず、それほど悪い成績を残さなかった。

ステッカーが貼られ、スパルタンな内装のプリウスは、毎日の通勤で乗るプリウスとはかけ離れたもので、初期の成功に重要な役割を果たした。以来、ハイブリッド技術は進化を重ねてきたが、これは、一見ありふれた普通のクルマでさえも、長く続く伝統を享受することができるということを示していいる。

さらに意外な展示物は、2001年式のヤリス(ヴィッツ)だ。約20年前のクルマでありながら、走行距離はわずか240kmだけ。アイルランドで購入され、オーナーの家に到着したときにガレージのドアにぶつけてしまったそうだ。その後修理されたが、それ以来、ずっと乾式保管されてきたという。

どう見ても新車で、購入時のタイヤもちゃんとしている。今ではトヨタとレクサスの偉人たちに囲まれながら、永住の地を与えられている。

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