【いったい誰が買うの?】ハマーが復活 でもピックアップトラックEV 日本で再びブーム来る? GMは焦り!?

公開 : 2020.10.25 05:50

ピックアップトラック 米で多角化

こうして、アメリカ社会にとって「乗用・商用の主流カテゴリー」の1つとなったピックアップトラックでは、顧客の要望に合わせてモデルラインナップが拡充されてきた。

さらにいえば、北米市場向けと、東南アジア・南米などの経済新興国向けでは、市場からの需要に応じて仕様が異なる。ここではトヨタ三菱いすゞなどが大きなシェアを持つ。

トヨタ・ハイラックス(2020年)
トヨタ・ハイラックス(2020年)    トヨタ

こうしたピックアップトラックの多角化が進む中で、EV化という解釈も当然出てくる。

90年代から2000年代になって、コンセプトモデルや試験車両の部類では存在してきたが、市場における需要が明確にならなかったため、量産計画は進まなかった。

これは、EV全体に言えることだ。2010年になり、日産リーフ三菱アイミーブが大手自動車メーカーとしての初めての大量生産・販売型のEVとなった。

一方で、テスラが築いたのが、プレミアムEVという新たなるカテゴリーだ。

100kWh級の巨大な電池パックを搭載する「モデルS」「モデルX」が登場し、その延長上としてアメリカで需要が多いピックアップトラックとして「サイバートラック」構想を立ち上げた。

2010年代以降のEV市場の変遷を振り返ってみると、GMがプレミアム・ピックアップEVを企画するのは、至極自然な流れだと思う。

換言すると、GMは焦っている……。

ハマーEV、どんな人が買うのか?

GMに限らないが、世界の大手自動車メーカーとしては、テスラをはじめとするEV事業の急速な成長に驚いている。

背景として、世界各地での電動車規制に加えて、従来の財務情報だけでなく、環境・社会・ガバナンス要素を考慮したESG投資への関心がここまで一気に高まるとは予想できなかった。

その上で、GMはハマーEV発表と同時に、米ミシガン州ハムトライク工場に総額22億ドル(約2300億円)を投じて全面改修した、EV専用製造拠点「ファクトリーゼロ」の詳細も公表した。

こうしたGMのESG投資に対するアクションも、ハマーEVピックアップトラックを購入するセレブ層にとっては、購入動機になるだけではなく、GMという企業に対するポジティブなイメージ要因となり得る。

GMとしては、中大型EV向けのEVプラットフォーム「アルティウム」の第1弾として、セレブ層に人気のGMCブレンドにハマーの名を復活させるという、総括的な商品戦略を進めてきた。

端的に、GMとしてはテスラ・サイバートラックより先に量産したいという思いが強かったはずだ。

さらに、車高調整用エアサス、四輪操舵システムクラブウォーク、800V・350kwの急速充電等の最新EV技術を集約した。

プレミアムEVピックアップトラックに一番乗りとなる可能性が高い、GMCハマーEV。

量産までの動向に注目していきたい。

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