【ハンサムなSUVにPHEV追加】プジョー3008 ハイブリッド225へ試乗 1.6L+シングルモーター

公開 : 2021.01.12 10:25  更新 : 2021.07.27 14:51

穏やかなペダル操作が向いている

バッテリーの容量は13.2kWhあり、この価格帯のPHEVとしては一般的な大きさ。WLTP値でのEVモードの航続距離は51kmから62kmがうたわれるが、現実的にはそこまで走れないだろう。

試乗車は標準の18インチ・ホイールを履いていたが、フル充電で示された航続距離は35km。都市部と郊外が混合するコースを上手に走って、なんとかその数字には届いた。

プジョー3008 ハイブリッド225 アリュール・プレミアム(英国仕様)
プジョー3008 ハイブリッド225 アリュール・プレミアム(英国仕様)

3008のハイブリッド・システムは、電気モーターとエンジンが同じトランスミッションを介してタイヤを駆動している。電気モーターのパワーがなくなると、一瞬のもたつきが発生してしまうようだ。

アクセルペダルを深く踏み込むと、パワートレインの反応にわずかなタメがある。とっさに加速したい場面では、エンジンが始動するタイミングに遅れがあり、それからシフトダウンされる感じ。ブレーキペダルを踏んだ感触には、少しスポンジーさもある。

基本的にエンジンが稼働し続けるスポーツ・モードを選べば、その一呼吸が短くなる。だがエンジンの回転数が高まると、やや息苦しそうなノイズが聞こえてくる。走行ペースを速めると、どこか滑らかさを欠くな印象だ。

先を急がなければ、操縦性のフィーリングは良い。穏やかなペダル操作が、このクルマには向いている。

シャシーは、破綻することなく路面をこなすが、パワートレインと同様に性格はおっとり側。適度に引き締められた姿勢制御を得ているものの、車体の重さも滲ませる。

サスペンションは、スプリングよりアンチロールバーの方が頑張っている様子。コーナリングも良くこなすし、狙ったとおりのラインに3008を進めていける。ボディロールも抑えられている方だ。

しかし路面が滑らかでないと、落ち着きのなさが見えてくる。高めの速度域では横方向の揺れも感取され、わだちを通過すると大きな上下動が出ることも。

新しいPHEVを検討しているのなら

運転姿勢は近年のプジョーに共通。身長の高い筆者にとっては、足元空間が不足気味で、背もたれはやや短い。ステアリングホイールの位置も少ししっくり来ない。

インテリアデザインは、フェイスリフト前から変わらず上質な雰囲気。車内空間は、このクラスでは平均的な広さ。インフォテインメント・システムには鍵盤のようなショートカットキーが付き、操作しやすい。

プジョー3008 ハイブリッド225 アリュール・プレミアム(英国仕様)
プジョー3008 ハイブリッド225 アリュール・プレミアム(英国仕様)

モニター式のデジタルメーターには、いくつかの個性的な表示モードもある。そちらも試したが、筆者は従来的な丸いメーター表示に落ち着いてしまった。

PHEV版3008の仕上がりを俯瞰すると、既存のオーナーが、買い替えを急ぐほどではないと思う。価格も考えれば、もう少し様子を見てもいいだろう。

ちなみに2021年には、新しい欧州燃費規制が施行される。メーカー平均でのCO2排出量が95g/kmを超えると、1台毎に多額の反則金が発生してしまう。新車価格がどう変化するのか、今のところ予想しにくい。

もっとも、手頃な価格と楽しめる運転をPHEVで両立させることは、簡単ではない。3008のスタイリングはハンサムで、現実的な条件でも燃費は良好。新しいPHEVを検討しているなら、プジョー3008 ハイブリッド225を選んで後悔することはないだろう。

プジョー3008 ハイブリッド225 アリュール・プレミアム(英国仕様)のスペック

価格:3万9430ポンド(532万円/試乗車)
全長:4447mm
全幅:1841mm
全高:1624mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:8.7秒
燃費:55.6-78.7km/L
CO2排出量:31g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1598ccターボチャージャー+シングルモーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:225ps(システム総合)
最大トルク:36.7kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

関連テーマ

おすすめ記事

 

プジョー 3008の人気画像