【三菱だけじゃない】逆風に直面する日本メーカー 欧州で生き残る方法はあるか?

公開 : 2021.01.08 06:25

将来は電動モデルにかかっている

鍵を握るのはパートナーシップだ。トヨタは現在、スバル(20%)、スズキ(5%)、マツダ(5%)に出資しており、3社とも排出ガス規制をクリアした。

例えば、スズキは人気の高いジムニーの販売を中止せざるを得なかった(商用車仕様を再導入)が、現在は、トヨタのRAV4プラグイン・ハイブリッド(アクロス)とカローラ・ツーリング・スポーツ・ハイブリッド(スウェイス)のOEMモデルを欧州で販売している。

スズキ・アクロス
スズキ・アクロス

マツダは、トヨタと排出量をプールすることで、トヨタのハイブリッドによる平均CO2排出量の削減効果を享受していたが、今回、小型車のマツダ2の後継車として、ヤリス・ハイブリッドをリモデルして販売することになった。

アクロス、スウェイス、マツダ2は欧州で生産される。

一方、スバルは、トヨタのハイブリッド技術をSUVのXVに採用している。また、トヨタはスズキ、スバル、マツダと共同で、e-BNGAと呼ばれるEVプラットフォームの開発に取り組んでいる。

日産はもちろん、ルノーとの提携により競争力を高めているが、両社間では技術の共有化が遅れている(例えば、日産のハイブリッド技術「e-Power」と、ルノーのハイブリッド技術「E-テック」は無関係)。その一方、次期マイクラの製造と設計はルノーが行うという。

日産の財政難により、スペイン・バルセロナの工場以外にも多くの雇用が失われる可能性があるが、2021年に新型カシュカイを予定通りに発売できれば、勢いを取り戻すことができるかもしれない。

ホンダは欧州の2工場の閉鎖を発表した。しかし、LMCオートモーティブは、次期シビックのようなハイブリッド・パワートレインを搭載した新型車が登場すれば、欧州での年間販売台数は20万台近くになるだろうと予測している。

三菱以外にも日本メーカーが欧州から撤退する可能性はあるのだろうか?LMCオートモーティブによると、それは各社の電動化戦略にかかっているという。

アナリストのチャンは言う。

「今のところ、各ブランドは欧州で存続すると予想していますが、これは来るべきEVの成功にかかっているかもしれません」

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