【まだ押しが弱い?】マツダMX-30 ズバリ「2.5Lターボを積むべき」

公開 : 2021.02.18 05:45  更新 : 2021.10.13 12:04

先日EV仕様が登場したマツダMX-30。生き残り策として2.5Lターボを積むことを提言します。

個性的なクルマ、MX-30

text:Takahiro Kudo(工藤貴宏)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

独特のクーペフォルムに、コルクをコーディネートしたインテリア。なかでも観音開きとしたドアは流行しているクーペ風SUVのなかでも異彩を放っている。

これぞ本当のSUVクーペ。MX-30の神髄はそこにあるのではないだろうか。

マツダMX-30
マツダMX-30

5ドアだと考えれば実用面で満足できない部分もあるけれど、最初からリアドアのない3ドアだと思って実用性を期待しなければなんてことはない。

むしろ、ないものと思って接すれば、不便と思われがちなリアドアがしっかりと実用性を高めてくれることに気づく。普通とは逆に開くリアドアは、たとえばリアシートにバッグを置く(取り出す)状況で本当に便利だ。

いま「クーペスタイルSUV」がトレンドになっている。

しかし、MX-30を見ると、ほかの4ドアのままテールゲートを寝かせた、いわゆる「クーペ風」はまだまだ思い切りが足りないと思う。MX-30くらい開き直らないと胸を張って個性を主張できないのではないだろうか。

個人的にはそう考えるが、やはり世の中はそうはいかないようだ。

クーペ風スタイルがもてはやされているとはいっても「実用性の犠牲が(ほぼ)ない」というのが前提にあるからであって、やはりリアドアがないMX-30のようなモデルは選びにくいようだ。その気持ちはわからなくもない。

だから、兄弟車でしっかりリアドアのあるCX-30が北米で大成功、日本でもそれなりにヒットしているのに対し、MX-30はそもそも低く見積もられた目標台数こそ受注ベースのカウントではクリアしているものの、大きな盛り上がりとはなっていない。

それはそうだろう。よほどの決め手がなければ、CX-30ではなく、使い勝手で劣るMX-30を選ぶという判断にはなりにくい。その気持ちもよくわかる。

そこで今回は、MX-30の魅力を高める方法を考えてみたい。MX-30の生き残り策といってもいいかもしれない。結論からいえば、そのヒントはパワートレインにあるのではないだろうか。

何か物足りない……

MX-30は先日、EVモデルが国内でも正式に発表されたものの、それがMX-30の販売台数を飛躍的に増やすかといえばそうではないだろう。

価格は451万円から495万円と高く、またWLTCモードで256kmという「長くない航続距離」を考えれば、多く売れるクルマではない。

マツダMX-30(EV)
マツダMX-30(EV)    マツダ

航続距離に関しては、バッテリーの生産や廃棄まで含めたトータルでの環境性能を考えてバッテリーを大型化しないマツダの哲学は理解できるし、的を射ているとは思うが、それが、イコール商品性の高さかといえばそうではないはず。

ホンダeのように小さな車ならともかく、Cセグメントの車体サイズで「街乗りに特化したクルマ」というのはちょっと無理がある。そもそも、EVモデルの日本での販売計画は年間500台と少ない。

では、現状のガソリンエンジンがMX-30の魅力に貢献しているのか?

たしかに、ガソリンにモーターを追加したマイルドハイブリッドは国内向けのマツダ車としては初ではあるが、なんとも押しが弱くてアピール性にかける。

いうなれば、見た目はスペシャルなのに、中身はなんだか普通なのだ。それでいいのか?

ちょっと物足りないと思えるのは、気のせいではないだろう。パワートレインにも、見た目の個性にふさわしい華が欲しいのだ。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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