【魅力を詰め込んだ7シーター】メルセデスAMG GLB 35へ試乗 306ps 4気筒ターボ

公開 : 2021.03.28 08:25

上級感あふれる車内と優れた乗り心地

実用性の高い7シーターの車内には、ブランド最上級のSクラスにも遠く離れない高級な雰囲気がある。プラスティック然としたパーツも下方に見られるものの、大きなモニターが並ぶダッシュボードから金属仕上げのスイッチ類まで、上級感に溢れれている。

夜になればアンビエントライトが灯り、丸いエアコンの送風口も光で浮かび上がり、魅力的な雰囲気は一層高まる。素材の触感にも心が惹かれる。

メルセデスAMG GLB 35 プレミアム・プラス(英国仕様)
メルセデスAMG GLB 35 プレミアム・プラス(英国仕様)

リッチな気持ちになったところで、アクセルペダルを踏んでみる。最初に気がつくのは、印象的なまでの走行時の洗練性。

走りにフォーカスされたSUVの多くは、強めの振動に悩まされることが多い。車高も重心も高く、コーナリング時のボディロールを抑えるために、サスペンションが引き締められるためだ。

しかし20インチという大径ホイールを履いていても、GLB 35の乗り心地は良い。アダプティブ・ダンパーをコンフォートにすれば、ベースにある硬さもほどよく丸めてくれる。

AMGダイナミック・セレクトと呼ばれる、多彩に用意されたドライブモードを切り替えると、スペックシートに期待通りの走行性能を備えていることもわかる。

最もスポーティな設定にし、サスペンションとアクセルレスポンスを締め上げれば、高速域でも強力な落ち着きとグリップ力を披露。1770kgという車重を備えていながら、プッシング・アンダーステアやボディロールを上手に抑え込んでくれる。

驚くほどの速度で郊外の道を走破できる

四輪駆動が生むトラクションも、ドライバーの自信を高めてくれる。路面が多少濡れていても、不安なくすべてのパワーを放出できる。

目的地までの移動速度も非常に速い。運転が楽しいとまではいえないかもしれない。だがGLB 35は驚くほどの速度を保って、カーブの続く英国郊外の道を走破してくれる。選択したラインにピタリとしがみつく挙動は頼もしい。

メルセデスAMG GLB 35 プレミアム・プラス(英国仕様)
メルセデスAMG GLB 35 プレミアム・プラス(英国仕様)

ドライビングポジションは高く、大きなガラスエリアで視界も広々。ホットハッチでは得られない景色を楽しめる点も、魅力の1つだろう。

唯一気になったのがステアリング。AMG仕様レシオのダイレクトステアリングが採用されているが、正確性や落ち着きが薄められているようだ。切り始めの反応はクイックだが操舵感が軽すぎ、一貫性やフィードバックが足りない。

直進時にはわずかな曖昧さがあり、コーナリング中に姿勢を変えていける調整しろは狭い。低速コーナーでは、狙ったライン通りにステアリングホイールを操ることが、難しく感じてしまう。

2.0Lの4気筒ターボエンジンはA 35などと同様に個性が薄いが、滑らかに四角いボディを引っ張ってくれる。0-100km/h加速は5.2秒。低回転域からトルクが太く扱いやすいものの、AMGらしく走るには高い回転域を活用する必要はある。

8速ATは、シフトパドルを弾けばキビキビと変速をこなし、AT任せでの変速もスムーズ。エグゾーストノートは絞られており、少しドラマチックさには欠ける印象だった。

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