【感心のオンロード性能】ランドローバー・ディフェンダー90 D250へ試乗 新インジニウム獲得

公開 : 2021.04.08 08:25

並外れたオフロード性能とは裏腹の、オンロードでの快適性。新しい6気筒ディーゼルは、ディフェンダーの性格にマッチすると英国編集部は評価します。

新しい直6のインジニウム・ディーゼル

text:Matt Saunders(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ランドローバーは、登場から間もないディフェンダーへ4気筒ディーゼルを積まないことにした。軽油で走らせたい場合、選べるエンジンは1つだけ。でも、3.0L直列6気筒の新インジニウム・ユニットだから心配はいらない。

最高出力は200psから300psまでの3段階が設定され、それぞれD200、D250、D300とグレードわけされる。今回試乗したのは最高出力248ps、最大トルク57.9kg-mを発生する、真ん中のD250だ。

ランドローバー・ディフェンダー90 D250 SE(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー90 D250 SE(英国仕様)

ジャガー・ランドローバーは、新しいパワーユニットの開発で少し出遅れた。だが完成したエンジンはとても素晴らしく、社を信じて待っていて良かったと感じさせてくれる。短い3ドアのディフェンダー90なら、0-100km/h加速を8.0秒で叶えてくれる。

軽負荷時は、ライバルブランドのユニット以上に音が静かだったり、滑らかだったりということはない。しかし、劣ると感じるほどではない。

動的性能は、余裕しゃくしゃくではないにしろ、充分以上。本気になれば、0-100km/h加速の数字を信用させてくれるだけの加速力を披露する。

アクセルペダルを踏む右足の力を緩めた状態から勢いのいい中間加速を求めると、車重2.2tのボディの速度を上げるために、エンジンが頑張る必要性を実感する。まるで舗装路面が柔らかくネバネバしているように、重さを感じる。とはいえ、印象は悪くない。

驚くほどの悪路性能と舗装路マナー

ディーゼルエンジンらしく、豊かなトルクが低回転域から得られる。レッドゾーンめがけて回転数を高めると、息切れ感が出てしまう。トップエンドまで回さなければ、控えめに唸るような低音が響き、サウンドも悪くない。

組み合わされるZF社製の8速ATは、ベストと感じるほど知的とはいえない。従来的なSUVに載っていたとしても、もう少し軽快にシフトアップして良いとさえ思えてしまう。

ランドローバー・ディフェンダー90 D250 SE(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー90 D250 SE(英国仕様)

AUTOCARでは、既にロングホイールベース版のディフェンダー110で並外れたオフロード性能を確認している。今回の試乗は短時間で、舗装路のみという条件だったが、ショートホイールベース版でも悪路性能を疑う必要はない。

むしろディフェンダー90はホイールベースが短い分、前後タイヤ間のブレークオーバー・アングルが深い。110より能力が高いと考えていいだろう。

クラストップの悪路性能を踏まえると、舗装路をクルージングしている時のマナーの良さには感心させられる。試乗車には1615ポンド(24万円)のエアサスペンションが備わっていたが、高速道路ではしなやかで落ち着いた走りを披露してくれた。

車内は、印象的なまでに穏やか。風切り音が耳に届くが、ボディ形状を考えれば静かといえる。タイヤはブロックの大きいグッドイヤーラングラー・オールテレーンだったにも関わらず、ロードノイズの小ささにも驚かされた。

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