【アースカラーにアクア】ディフェンダーがダカール・ラリー参戦車のリブリー公開 ペテランセルら3台体制

公開 : 2025.12.02 17:25

来年1月のダカール・ラリーでデビューする『ディフェンダー・ダカールD7X-R』のリブリー(カラーリング)が公開されました。砂漠をイメージした『アースカラー』と、オアシスをイメージした『アクア』の組み合わせが実にキャッチーです。

ディフェンダーの最新リブリーを公開

ランドローバーのヘビーデューティ・ブランド、『ディフェンダー』は、2026年1月に開催される『ダカール・ラリー』に参戦する『ディフェンダー・ダカールD7X-R』の新しいリブリー(カラーリング)をまとった競技車両を公開した。

ディフェンダー・ラリーチームは、2026年よりFIA世界ラリーレイド選手権(W2RC)の市販車(ストック)カテゴリーにワークス体制で参戦し、『ダカール・ラリー』はそのデビュー戦となる。

2026年1月のダカール・ラリー参戦に向けて公開された、新たなリブリーの『ディフェンダー・ダカールD7X-R』。
2026年1月のダカール・ラリー参戦に向けて公開された、新たなリブリーの『ディフェンダー・ダカールD7X-R』。    ジャガー・ランドローバー・ジャパン

『ダカール・ラリー』に参戦する3台のワークスD7X-Rには、ダカールのレジェンドであるステファン・ペテランセルとミカ・メッジェ組、ロカス・バチュスカとオリオール・ビダル組、そしてサラ・プライスとショーン・ベリマン組の3組のクルーが搭乗し、新たに就任したチーム・プリンシパルのイアン・ジェームスの指揮のもと、経験豊富なメカニックとエンジニアのチームがサポートする。

アースカラーとアクアのコントラスト

今回公開された『ディフェンダー・ダカールD7X-R』のリブリー(カラーリング)は、砂漠の色彩や質感から着想を得た、荒々しく力強いデザインを採用している。

新しい色彩『ジオパレット(Geopalette)』は、ダカールの特徴である乾燥地帯の風景を表し、『砂』、『石』、『アースカラー』に、稀少な砂漠の水から着想を得た『アクア』のアクセントを組み合わせ、コントラストを持たせながらもクリアな印象を生み出すリブリーとなっている。

2026年1月のダカール・ラリー参戦に向けて公開された、新たなリブリーの『ディフェンダー・ダカールD7X-R』。
2026年1月のダカール・ラリー参戦に向けて公開された、新たなリブリーの『ディフェンダー・ダカールD7X-R』。    ジャガー・ランドローバー・ジャパン

ベース車の素性が試されるカテゴリー

W2CRで2026年より導入される『ストック・カテゴリー』は、市販車からの変更・改造可能な範囲が厳しく定められており、ベースモデルが本来持っている走破能力が試されるクラスである。

『ディフェンダー・ダカールD7X-R』は、ディフェンダー史上最強の市販モデルとして、スロバキアの二トラ工場で製造された『ディフェンダー・オクタ』の『D7xボディアーキテクチャ』、『トランスミッション』、『ドライブトレイン・レイアウト』および『4.4LツインターボV8エンジン』を継承し、さらにはFIA規定に準拠した『持続可能燃料』を使用する。

2026年1月のダカール・ラリー参戦に向けて公開された、新たなリブリーの『ディフェンダー・ダカールD7X-R』。
2026年1月のダカール・ラリー参戦に向けて公開された、新たなリブリーの『ディフェンダー・ダカールD7X-R』。    ジャガー・ランドローバー・ジャパン

競技に備えた様々な改良

一方、過酷なラリーレイド競技に対応するために、競技仕様の『ディフェンダー・ダカールD7X-R』には様々なアップデートも施されている。

ボディシェル自体は『ディフェンダー110』と同じながら、車両後部には専用の550L燃料タンクを搭載し、800km超を走ることもある長距離のオフロードステージにも耐えうるようになっている。

2026年1月のダカール・ラリー参戦に向けて公開された、新たなリブリーの『ディフェンダー・ダカールD7X-R』。
2026年1月のダカール・ラリー参戦に向けて公開された、新たなリブリーの『ディフェンダー・ダカールD7X-R』。    ジャガー・ランドローバー・ジャパン

また、車内には競技仕様のロールケージも張り巡らされ、6点式シートベルトと競技用シートとともに乗員を保護する。

V8エンジンは、FIAのカテゴリー規定によりエアインテークにリストリクターが装着され、出力制限を受ける以外は機械的な変更は加えられていないが、高温の環境に対応するため、市販車の3基のラジエーターから単一の大型ラジエーターに換装され、内部のエアフローも4基のファンにより強化されている。

併せてボンネットも冷却を強化するよう改良され、エアインテークには砂の侵入を防ぐ粒子フィルターも追加された。そのほか、ルーフにはライトポッドとキャビン用のエアインテークも装着されている。

『ディフェンダー・オクタ』と同じ8速オートマチックトランスミッションは、ラリーレイド用に低速域でのトルクを増強させるため、より低い最終減速比が選択されている。

また、ブレーキシステムには、競技用のフロント6ピストン、リア4ピストンのキャリパーとベンチレーテッドディスクが採用されている。

電子機器も過酷なラリーでの堅牢性を確保するため、専用の制御ユニットを採用。さらに、『ディフェンダー・ラリーチーム』は、砂丘地帯でのジャンプに対応する『フライト・モード』を新開発した。

『フライト・モード』の採用により、ジャンプ時に車両が浮いている間、自動でエンジンからホイールへのトルク伝達を調整し、スムーズな着地と駆動系の保護が可能となった。

そのほかラリーレイド競技用の装備として、FIA規格のナビゲーションシステムと、速度・進行方向を表示するドライバー用ヘッドアップディスプレイ、さらにドライバーが設定可能なモータースポーツ用ダッシュボードを装備するほか、8Lの飲料水や工具キット、圧縮エア、油圧ジャッキにスペアパーツなどが搭載される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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