【価格・環境・安全】EVコスト、移動の自由に影響 ステランティスCEO語る 大衆向けに価格を維持すべき

公開 : 2021.05.19 20:05

自動車大手ステランティスのカルロス・タバレスCEOは講演で、EVと行政が抱える課題について語りました。

もくじ

行政は全体像が見えていない?
規制により移動の自由が減る?
価格を下げられなければ雇用に影響も

行政は全体像が見えていない?

text:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

行政は、EV(電気自動車)への完全移行を義務付ける際に、クルマを大衆が購入できる価格に維持する必要性と、ライフサイクル全体への影響を考慮する必要がある。

ステランティスのカルロス・タバレスCEOは、「電動技術の普及に関する決定は、自動車業界によってなされたものではない」ということを忘れないでほしいと語っている。

ステランティスのカルロス・タバレスCEO
ステランティスのカルロス・タバレスCEO    ステランティス

タバレスは、フィナンシャル・タイムズ紙の講演イベント「Future of the Car」で12日、「単一の技術ではなく、複数の技術を用いた方が、もっと効率的だったと思います」と述べた。規制でEVのみに絞るのではなく、複数の選択肢を残すべきだと考えているようだ。

「CO2排出量を見るときには、大衆のクルマのライフサイクル全体(製造から廃車)における排出量を見るべきだと思います。未来のモビリティ(特にEV)を裕福な人々にしか手が届かないものにしてしまうと、ガスを排出し続ける古いクルマを抱えることになってしまいます」

「わたし達が排出するCO2のトン数を減らすために、よりクリーンなモビリティを手頃な価格で提供するにはどうしたらよいでしょうか?そのためには、クルマを売るだけではなく、購入したいと思う人がいなければなりません。手頃な価格を維持できなければ、移動の自由に影響を与えることになり、これは現代の民主主義にとって大きな問題です」

タバレスは、法律で定められた通りにEVを導入することはもちろんだが、それ以上に排出ガスの削減に力を入れていると述べた。しかし、純粋にマフラーから出るガスの量だけを義務付ける行政は、大局を見失っており、消費者向けの自動車コストを押し上げていると語った。

「10年後には、モビリティーは現在よりも300~500kg重くなるでしょう。そうなると、材料の希少性や再生可能性に関する問題が出てきます」

「この決定がどこから来たのかを忘れてはいけません。自動車業界ではないのです。将来のためにも、そのことを念頭に置くべきです。わたし達は完璧に物事を成し遂げ、完全なコンプライアンスを持ち、世界の排出量のために少しでも貢献しようとしています」

「わたし達がもたらしている変化は、未来のモビリティを守るためのソリューションです。そのためには、クリーンで安全であることはもちろんですが、手頃な価格であることも忘れてはなりません」

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